テレビ問題。

たいてい僕の家にやってきた友人たちは、リビングで寛ぎ、周りを見回しながら言うのだ。
「なんかないと思ったら、この家、テレビがないんだ!」
そう、僕の家にはテレビがない。
そもそもテレビを見たいとも思わないし、あの黒く大きな存在感が好きになれないのだ。また、テレビが垂れ流しでかかっている家ほど嫌な家はない。
それでも、Kと二人で旅行に行くと、ホテルのテレビはKが見るので、一緒になって見ていることもある。たいていは旅番組とか、食べ歩き番組だ。やがて、僕が仕事をしはじめると、Kは嬉々としてアニメを見はじめる。
僕は、土曜の夕方なんかに、Kが口を開けてアニメの番組を見ている姿を見ながら、まるで小学生みたいだなあ…と思い、平和な気持ちになるのだ。
先日、「テレビを買おうか?」とKに聞いてみたところ、「ただしくん、テレビ嫌いなんだから、無理して買わなくていいよ」と答えが返ってきた。
でも、大分生まれ大分育ちのKには、東京に友人などいるはずもなく、毎日僕の帰りをひとりでポツンと待っている姿を思い浮かべては、そのうちに寂しくて気が狂ってしまうのではないかと思うのだ。
寝室に大きめのテレビを買おうか?と僕が言うと、Kは、リビングでも見れる方がいい…と言うので、あれこれ見ているうちに、持ち運びができるポータブルテレビを買おうか?ということになった。
ふたりで暮らすということは、自分の世界がどんどん壊されて、これでもいいかなと変わっていくことなのかもしれませんね。

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