粉だし。

『粉だし』をはじめて日本で紹介して広めたのは、僕の知る限り、料理研究家の山本麗子さんだと思う。今から15年ほど前に、『粉だしで極上シンプルだし宣言』という本を出されたからだ。
戦後、経済発展とともに化学調味料が当たり前のように浸透してしまった日本の食卓では、もはや出汁を引くという行為自体が面倒くさく感じられて、どんどん日常から離れてしまっているのが現実だろう。
そんな中で、和食の神髄ともいえる天然の出汁の旨味を、なんとか家庭の日常使いの中で遺すべく、様々な工夫がなされてきた。その中の一つが、前回ここにもあげさせていただいた、『昆布水http://jingumae.petit.cc/banana/2532970』であるし、今日ここに取り上げる『粉だし』だろう。
なぜこの二つを僕がおすすめするかというと、
1.作るのがカンタンだから。
2.使うのもカンタンだから。
3.保存が利くから。
<作り方>
『粉だし』は、鰹節、鯖節、いりこ、昆布など、出汁の出るものならなんでもいいのだけど、それをハンドミキサーやブレンダーに入れて、粉々に細かく砕くだけ。
<使い方>
お吸い物、炒め物、煮物など、一振りするだけでぐっと旨味が加わり複雑な美味しさに早変わりするのだ。
鰹節の粉だしをほんの少し入れて熱湯を注ぎ、味噌を溶けば、みそ汁の出来上がり。
鶏もも肉に薄く塩味をつけておき、熱くした昆布水にほんの少し鰹節の粉だしを入れて、新タマネギと人参を煮る。火が通ったら、ほんのり薄口醤油と塩で味付けをしたあと、鶏もも肉に片栗粉を軽くまぶして一緒に煮て、火が通ったら最後に小松菜など青物を一緒に入れて添えると、とても美味しい煮物が出来上がる。
粉が気になるのではないかと思われるかもしれないけど、みそ汁でも煮物でも、日常使いならば全く問題ないと思う。むしろ、なんだか栄養を直に摂っている気さえするくらいだ。
ミキサーに入れて粉々にすること自体が面倒という方には、写真のような粉々にした鰹節や昆布が、『うね乃』などのお出汁屋さんで売っているので試してみて欲しい。(ここで気をつけなければいけないのは、原材料の中に、余分な化学調味料などがはいっていないこと。あくまでも、鰹節、昆布、いりこなど、自然の原材料だけで十分美味しいからだ)
昆布水と鰹節の粉だしさえあれば、お出汁を使った日常のほとんどの和食は作れると思う。
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