つきあうふたりのセックス。

ぺんぺん草で飲んでいたら、久しぶりの友人SRに会った。
SRは、45歳。昔はタイに恋人がいて、しょっちゅうタイに行っていたけど、ここ数年はその後の恋人の話を聞くことはなかった。
それが、3つ下の恋人が出来たようで、心なしか顔も晴れやかに見える。
しばらくしたら、その3つ下の恋人がやってきて、僕たちの間に座った。
挨拶をして乾杯をする。名前を聞くと、SN。覚えやすいように最初の『シ』がSRと同じだと教えてくれる。それだけで彼がとても感じのいい人だということがわかる。
つきあい始めて4ヶ月目。まだまだ熱々の二人は、時々お互いを気にかけながら話をしているのがわかる。
やがてそのうちに、年下のSNが口火を切った。
「ゲイって、つきあっていくうちに、だんだんセックスがなくなってしまうのはどうしてなんだろう…僕は嫌なんです。つきあっているうちは、ちゃんとセックスしていたいんです!と言った。
ぺんぺんのひろしさん「うちにも長くつきあっているカップルがいるけど、彼らももうおそらくセックスはなくなっているんでしょうね…というか、惰性でつきあっているのかもしれないわね」と言った。
僕「長くつきあっていくと、セックスがなくなっていくのは自然なことのように思えるんだよね。正確に言うと、なくなっていくというよりも、セックスの形が変わっていくんだよね。その人に対する」
35年くらいつきあっているカップルでも、セックスが未だにあるなんて話を聞くこともあるけど、大抵のカップルは、セックスの形が変わっていくのではないだろうか。
タチとかネコという役割がハッキリとあるカップルであれ、年を重ねるうちにそれぞれが求めるものが変わって来たり、二人のプレイも変わっていくような気がする。
セックスが形を変えてだんだん希薄になってゆくように感じる時に、それでもその人とつきあい続けていく努力を選ぶか、いっそのこと別れてまた新しいセックスを探すのか、それは人によっては決断を迷うところかもしれない。
社会的にも確かなふたりの結びつきがなく、セックスという快楽がすぐそばにあるゲイにとって、特定の同じ人と月日を重ねていくことは、つきあい続けていこうというふたりの意志がないと難しいことなのかもしれない。
どんな生き方を選ぶのも、その人次第なのだろう。
4ヶ月にして、うっすらと見える不安に対して、真剣に話をしているふたりが微笑ましく、次に会う時もふたりが続いていたらいいなあと思ったのだった。
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