カミングアウトの行方。

3月最終日の渋谷区『同性パートナーシップ条例』が決まったニュースにより、思いがけず沢山の新聞やテレビに出てしまって、僕としては予期せぬ華やかなカミングアウトとなってしまった。
その後、会社で何か言われるかな?と思いながらも2週間が過ぎたのだけど、一つあったのは、美容院で、「テレビ見ましたよ!よかったですね!」と、美容師さんに言われたことくらいだ。
それにしても、あれだけの媒体に出て、ゲイの友人たちからは反響があったのに、会社ではまるで何事もなかったようなのはどうしてなのだろうか?
一つは、前にも書いたように、仕事場の人のセクシュアリティなど、特に自分には関係ないと思っているのかもしれないのと、「テレビ見ましたよ!実はゲイだったんですね!」などとは、さすがに本人には言いにくいのかもしれない。
そう思いながらも、入社以来、一番一緒に過ごしてきたコピーライターIがこの2週間顔を出さないのは、やはりテレビを見て、僕に近づきたくないと思っているのかもな…と思っていた矢先、会社のゲートでばったり会った。
Iは、今までと何も変わらず僕に話しかけて来て、最近の仕事のことなんかを立ち話しながら「またランチ行きましょう!」と言いながら去って行った。
僕は、勝手にカミングアウト後の会社での影響を色々妄想していたのだけど、あまりのリアクションのなさになんだか拍子抜けしてしまった。そしてそんな一部始終をKにLINEを入れた。「なんで、誰も何も僕に言わないのかな?」と。するとKは、
「ただしくんは、自分では周りに気づかれていないと勝手に思っているだけで、周りはもうずっと前から知っているんじゃない?
だって、どこからどう見ても丸わかりだもん」
小さなカミングアウトは、仕事場でもしていたのだけど、あれだけ華やかにカミングアウトされると、もう疑う余地もないから意外と周りの反応はこんなものなのかもしれない。
そう思いながらも、いつか誰かが何か言ってくるのではないかと、今はすでにそれが楽しみになっている。
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