F T M の若者。

弟のようなFと、妹のようなGと打ち合わせを兼ねて食事をしたら、FがFと同じF T M(female to male)の若者を連れて来た。
ぱっと見、真面目そうな男の子Kao君は24歳で医学部に通い、これから半年出版会社でアルバイトをして、その後半年旅行をして、来年から病院へ就職するという。今回は、出版社の面接で東京に訪れたようだ。
就職の前に、胸の手術をして、今度は下もタイで手術を受けるらしい。今度の手術は、50万円。
彼の場合は、自分の就職先にも自分のセクシャリティをきちんと明かしていて受け入れてもらっているという。
トランスセクシャルの人たちの就職も、長いことずっと大変だったようだ。自分のセクシャリティを完全に隠して就職するか、セクシャリティに正直に生きて、夜の商売をするかの二者択一。
挙句の果てに、何十万何百万というお金をかけて手術を受けても、『変態』という言葉が浴びせられたりするという。
彼らは、この世に生まれて来ただけだ。他のみんなと同じように両親の愛情を受けて育って来た。彼らが持って生まれたそのままのセクシャリティを、矯正など出来ないし他人に否定される必要はない。
FがNHKなどのメディアに出るようになって、救われたというトランスの人たちは、想像を絶するほどの数になっている。中には、生命を救われたという人たちも…
今まで、トランスの子どもたちは、自分一人で悩みを抱えていたり、周りから変態扱いされて、自分だけがおかしいのではないかと悩み続け、自殺をする人たちもとても多かったようだ。
Kaoに、好きな女の子のタイプを聞いたり、これから、小児外科になりたいという夢を聞きながら、期待に膨らむKaoを見ていたらとてもうれしくなった。
FのBAR『緑』に移り、別の打ち合わせをしていたら奥の方で「やった〜!」という声が響いた。なにごとかと思ったら、Kaoの一発目の出版社の面接が通ったらしい。
これから東京暮らしが決まって、今度は慌ててスマホで不動産を探し始めた…。
身体も小柄で152センチしかないKaoは、就職用のスーツもなかなか身体に合ったものがなくて、お母さんが袖や裾を直してくれたそうだ。
そんなKaoが、満面に笑みを浮かべて喜んでいる姿を見ながら、素敵な仲間たちと乾杯をした。
カテゴリーLGBT

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