人間のイメージするもの。

「この花、なんて名前だ?」
洗面所で歯を磨くKに問いかけた。
Kは必死になって5秒くらい考えて、
「すずらん!」と自信満々で答えた。
僕が笑いながら、「スイートピー!」と言うと、「やっぱり!」
松田聖子の歌の中で、好きな曲は、『赤いスイートピー』と『ガラスの林檎』なのだけど、ちょっと考えてみて、『赤い色のスイートピー』って、ほとんど見たことないなぁと思っていた。スイートピーはマメ科で豆そのものの花なので、白を基調に紫からピンク、もしくは黄色に転ぶその周りの淡い色が多いはずだから。
調べてみると、およそ8年前に品種改良で『赤いスイートピー』は出来上がったようだけど、この曲が出来た時はこの世界に『赤いスイートピー』は存在しなかったようだ。作詞家の松本隆は、頭に赤いスイートピーのイメージが浮かんだからそう書いたという。人間がイメージすることって、きっと現実化するのだろう。
スイートピーはプードルのように可憐な形状で、およそ男性にはあまり好まれないかもしれないけど、僕はこうやって1輪で、花の形状に注意がいくように飾るのが好きだ。
空に羽ばたくような翼か、羽衣のように見えて、神様の作る独創性に見入ってしまう。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です