10皿でわかるイタリア料理

ビステッカ・アッラ・フィオレンティーナうまそう…

料理のエッセイで、面白く非常に勉強になる本に出会った。筆者は、イタリアのガンベロ・ロッソ・レストランガイドのたった一人の日本人執筆スタッフ。
代表的なイタリア料理10品の説明とともに、その周りにある歴史、そしてワインとのマッチングまで、とてもわかりやすく丁寧に描かれている。
一番驚くのは、これを書いているのはイタリア人なのではないかと錯覚してしまうくらい、豊富な知識と、イタリアに対する絶大な愛情が感じられることだろう。
そして恐らく筆者自身も、イタリア人のように、人生に、喜びや愛や幸福を求めているのがわかる。
ただ一つ困ることは、読んでいるうちに、お腹が空いてきて、今すぐその一皿を食べたくなること。それぞれの料理に合うというワインの味と、そのマッチングを想像して、しばらくエアー幸福感に浸ってしまうことだろう。
カルボナーラのページに、本の内容を凝縮した文章が載っていたので、参考に抜粋しておきます。以下。
“人間は、常に理にかなったことをすれば喜びを得られるものではなければ、正しいことをすれば幸せになれるものでもないのである。
カルボナーラと間抜けな白ワインの組み合わせも、脂っこいボッリート・ミストと軽やかなランブルスコの組み合わせも、それほど熟成されてないペコリーノ・トスカーノと重厚なブルネッロの組み合わせも、すべては理論上は間違ったマッチングである。しかし、長年行われていて、妙にしっくりくるし、食卓で喜びや満足感を与えてくれるのであれば、それはそれでOKだと思う。
ワインも料理も最も重要なことは喜びを与えてくれることである。正しくて退屈なことをするよりは、間違っていても幸せなことをする方が、やはり賢明であるように私には思える”
★10皿でわかるイタリア料理
宮嶋 勲 著 http://www.nikkeibookvideo.com/item-detail/16874/
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