天使の分け前

敬愛するイギリスのケン・ローチ監督によるこの映画は、テアトル銀座の閉館を惜しむかのように公開された。
今回は、若者たちが主役になっている。彼らが奉仕活動を義務づけられるのだけど、周りの人たちとの温かい交流や、家族の励ましによって生活に少しずつ変化が訪れる。
世の中には、性善説を信じる人と、そうでない人がいると思うけど、僕が感じるケン・ローチは、正に性善説の人。
中流家庭や労働者階級、生まれながらの環境で重荷を背負った人物などを、優しく見つめる彼の眼差しを、映画のあらゆるところで感じることが出来る。
観ている僕もいつの間にか、人生の敗者や、報われない人たちに、そっと寄り添うかのようにやさしい気持ちを感じられるから不思議だ。
それにしても、テアトル銀座の閉館は、本当に残念だ。シネコンばかりになるのではないかと、これからの日本の映画環境を憂いてしまう。
★天使の分け前 http://tenshi-wakemae.jp/

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