HOLY MOTORS

13年振りのレオス・カラックスの新作と聞き、映画館に駆け込んだ。
ボーイミーツガール、汚れた血、ポンヌフの恋人…僕が若い頃、衝撃的なデビューを果たし、激情的とも言える作品を次々と生み出したカラックス。
今回、映画人の間でも評判が比較的いいみたいだけど、僕の感想は、「なんか、ジム・ジャームッシュみたいな映画だな…」と思ってしまった。(あまり、一般的には、お勧め出来ない…笑)
監督自ら発言している通り、ホーリーモーターズは、SF映画というジャンルだ。彼の映画の寵児とも言える、ドニ・ラヴァン(オスカーと言う名前)が今回も主役を務めている。
オスカーは、とても不思議な仕事をしている。それは、クライアントのオーダーに従って、なるべき人物になる。というか、演じる。映画の中で、結局オスカーは、11人の様々な人物を演じることになる。
映像が比喩するものや、意味を探ろうとすると、難しい映画かもしれない。もしかしたら、意図や意味など無い映画なのかもしれないから。
それでもあえて、思ったことを書いてみると、
人間は、生まれてくる時に、誰かになろうとして生まれて来るのだろうか?
誰かを演じるという使命のようなものがあるのだろうか?
違う誰かになることも出来るのだろうか…?
僕は時々、他の人の人生を想像してみることがある。自分がもし、あの人だったら、どんな風に人生を感じて、捉えるだろうか…と。
そんな不思議な思いに囚われた映画だった。
★ホーリー・モーターズhttp://www.holymotors.jp/

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