パンク

海をドッグランに連れて来て、買い物をして帰ろうと思って走り出してしばらくすると、車の下で変な音が鳴っていた。

K「あれ?パンクしたかも…」

助手席にいた僕が降りて行きタイヤを確認すると、右前輪のタイヤが潰れていた。

急なアクシデントにどうしようか…と思いながら、近くのガソリンスタンドを探すことにした。

Kが少し不安そうにどうしたものかと焦っているのがわかる。

僕はマップでいくつかのサービスステーションを探して一番近い1.8キロくらい先までノロノロ運転で行こうと提案する。

K「パンクの時はタイヤが傷むから走らない方がいいと思う…ここでスペアのタイヤに交換しよう」

僕「この車でタイヤ交換したことないし、SSまだ行こうよ」

そこで僕がノロノロ運転しながらSSに着いた。Kは炎天下の中海を連れ出して近くの日陰を散歩してくれている。

SS「これは、結構大きな穴が奥側に空いてるみたいですね…それに外車だから、このタイヤ道具がないと外せませんね…」

僕「え?じゃあどこに行けばいいですかね?」

SS「近くにタイヤ屋さんがあるから、電話してから行ってみたらどうですか?」

僕がタイヤ屋さんに電話して、彼らも動かなかったのでまたノロノロ運転で持って行くと、車に積んであった器具を駆使しながらやっとのことでタイヤを取り外すことが出来た。

ワーゲンは盗難防止のためなのか、タイヤを外すのにかなり時間がかかるように細工されているようなのだ。

あのまま炎天下の中、海を待たせて僕たちだけでタイヤ交換をしようとしても出来なかったと思った。

そうかといって、JAFを読んだら、きっと莫大なお金を請求されるに違いない。それに宮古島にJAFなんかないかもしれない。

Kは几帳面で真面目な性格なので、アカシデントがあると焦りと緊張でピリピリしてしまう。

僕は、「どうしようか…どうにかなるんじゃないかな…何か手を探さなきゃ…」と、頼りないながらもあまり焦るタイプではないようだ。

2人で暮らしていると、色々な違いに気付かされ、またそんな違いをお互いが補い合いながらなんとか毎日うまくやっているということに気づく。

タイヤを交換してもらって無事に家に着くと、Kは安心したのか顔が大きく緩んだ。

その顔を見て、僕もよかったと心底思ったのだった。

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