夜の鳴き声。

この家は人が住まなくなって数年経過していたので、鳥が住処として住み着いているようだ。

家を買う前に何度か見にきていたのだけど、その度に磯ヒヨドリが出てきて、「ここは俺様の家なんだけど、何か用ですか?」とでも言いたげに色々なところに止まっては僕を見つめていた。

家に住み始めて朝玄関に出ると、外に鳩のふんが1つ落ちていることが度々あった。東京で見るグレーの鳩ではない茶色い鳩が庭によくきているのを絵にしていたので、その鳩だと思った。

夜中に寝ていると、時々「ケッケッケッケッケー!」という感じの鳴き声がする。それは不思議な泣き声で、およそ鳩や磯ヒヨドリから発せられるような音ではないと思った。

ネットで鳴き声を検索すると、ヤモリの鳴き声だということがわかった。

そういえばヤモリは家の至る所にいて、窓を開けるといたり、トイレの窓のサッシに隠れていたり、ドアの隙間にいたりするのを目撃していた。でもヤモリは熱海にもいたのに、こんなに鳴くとは知らなかった。それとも宮古島のヤモリが特別よく鳴くのかもしれない。

昔だったら、家の中にヤモリがいたなんて言ったら、怖くて見つけるまで眠れなかったと思う。でも今は、ヤモリは人を攻撃するような動物ではないとわかっているし、そのおっとりした動きに親しみさえ感じている。

夜中に鳴き声が聞こえても、「あ、また鳴いている・・・」くらいにしか思わなくなった。

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