きび倒し。

宮古島に引っ越してきてからこのところ、ずっと曇りか雨の日が続いていて、時々晴れ間が見えたとしてもすっきりと一日中晴れているという日がほとんどなかった。

石垣島には冬に1週間くらい滞在したことがあったので、冬の島の天気は日本海側のように曇りが多いことはわかっていたものの、毎日晴れないかと天気を気にしながら過ごしていた。

ボイラーの工事をしに来ていた時におじさんと話していると、天気の話になった。
「今日も風が強いですねえ・・・」「きび倒しが終わるまではだいたいこんな天気ですよ」
「きび倒しって・・・サトウキビ?」「サトウキビを今収穫してるでしょ?だいたい3月半ばくらいまではこんな天気ですよ」


僕たちの家の周りは「ざわわ・・・ざわわ・・・ざわわ・・・♪」という歌が聞こえてきそうなくらいサトウキビ畑が一面に広がっている。サトウキビ畑の西側の向こうには背の高い建物がないおかげで遠く海が見える。

この時期、至る所で朝早くからおじいさんやおばあさんが機械を使ってサトウキビを刈り取っているのが見える。機械の音は大きいけれどもその景色は雄大で、人々の日々の営みを感じさせ、どこか昔の西洋絵画を思わせる。

海はそんなサトウキビ畑の中を、今では自分の領土とでも思っているかのように、時々喜んで急に走り出したりしながら楽しそうに歩いていく。

サトウキビ畑の景色の移り変わりとともに、今の僕たちの毎日はある。

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