別れを告げる時のお菓子。

宮古島から帰った翌日は日曜日だけど海をかかりつけの病院に連れて行った。

海の後ろ足は抜糸も済み包帯も取れたのだけど、前脚はまだ糸が残り、内分泌液が出て海が舐めてしまうので肌に赤みが残っているようなのだ。

毎日包帯を取り替えて清潔にしておくことが、傷口の回復にも必要とのこと。

Kとふたりで海が子どもの頃からお世話になっていた動物病院を訪れる。Kが用意していたお菓子を差し出しながら、先生や看護師さんに僕たちが宮古島に移住することを告げると、「思い切った決断ですなね…すごくいいと思います。会えなくなると淋しくなりますね…」と言ってくれた。

Kは、勤め先辞める時などに美味しそうなお菓子を買って配るのが好きだ。まるでそれが自分にできる精一杯の勤め先への勤めというか恩返しのように思っているのかもしれない。

12月に東京に行った際に、伊勢丹で30分くらいかけてお菓子を選んでいて、僕はその間ずっと暇を持て余しながら待っていた。

今日もお世話になった動物病院へのお菓子を渡して、Kはとても満足そうだった。

Kのそんな丁寧なところは、女の子のようでもありお母さんに似たのかなと思う。でも僕とは違うそういうKの丁寧さが僕は大好きだ。

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