友人が熱海に家を買った。

ほんの2月前くらいだろうか?友人から連絡があり、熱海にマンションを見つけて契約をしようと思っているとのことだった。友人は東京に高級賃貸マンションがあり、葉山に豪華だと聞いている海を臨む家があり、今度は熱海に海が見えるマンションを買うらしい。
世界には、お金が常にその人の周りに花のように咲いている人たちがいるのだ。
「熱海に行った時に会いましょう」そんなやりとりをして友人とはそのままになっていた。

先日、「今度の週末、熱海で会いましょう」という連絡がきて、お店を予約して友人ゲイカップルと4人で食事をした。
席につくなり友人は、「それでそれで、なんで熱海に引っ越そうと決めたの?」と口火を切った。

僕は昨年のコロナ禍になってから会社がリモートワークになったこと。ずっと前からKと二人、海のそばで暮らしたいと思っていたこと。大型犬を飼いたいと思っていたこと。子どもの頃から夏になると家族で遊びに来ていた伊豆で、やがて家を探すようになっていったことを時系列で熱海への移住計画を語り続けた。

「ふん。ふん。それで、それで熱海の家はどの辺なんだっけ・・・」
「うん・・・別荘地にあるんだけどね・・・実はね・・・この話には次の展開があってね・・・」「え?」

「実は、僕たち、来年の1月に宮古島に引っ越すんだ」
「え?え?宮古島?」

友人にはまだ宮古島への移住の話はしていなかったのだ。Bridgeのマスターが僕を知っている人には話の流れで伝えてくれていたけど、僕からは誰かにLINEを送ったりメールを入れることはしていなかったのだ。会った人に直接口で伝えたほうが良いと考えていたのだ。

そこから宮古島に家を買うまでの信じられないような数々の出来事を語り、友人は呆気に取られながらも話に聞き耳を立てていた。

「でも、熱海は本当にいいところで、伊豆への玄関口だし、温暖だし、ずっと住んでもいいと思っていたんだよ・・・」

「そんな・・・後1ヶ月で他のところに行っちゃう人に言われたって・・・信じられないよ・・・」

そんは話をしながら4人で大笑いした楽しい夜だった。

「また宮古島に行ってしまう前に熱海で会おうね。」と言って別れたのだけど、友人たちと写真を撮ればよかったと後になって気づいたのだった。

こうやって過ごす友人たちとの貴重な時間は、実は宝物のようなものなのだ。

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