叔母が真鶴にやってきた。

父の妹である叔母が急に真鶴まで来ると言うのでお昼前に真鶴に行く。
鄙びた真鶴駅で待っていると、年を取って小さくなった叔母がやってきた。

叔母は今年の春に熱海の我が家に遊びに来たけど、今回は前から大好きな真鶴に行きたいとやってきたのだ。
真鶴では「うに清」と言う有名店でお魚が何種類もふんだんに使われた定食をいただく。

叔母と話しているといつも亡くなった父の話になり涙ぐむことになる。
おばが3歳、父が5歳の時に祖父が戦争から帰ってすぐに亡くなり、祖母は女手一つで二人の子どもを育て上げたのだった。

叔母は、僕と兄に幾らかの財産を遺そうと思ってくれているようだ。そのやり取りで銀行と喧嘩をしたことを聞いて笑ってしまう。

81歳になっても未だに気が強く、商売をやっていたから男まさりなのだ。

真鶴半島の突端に上がり海を見下ろす。今日の美しい天気は神様からの贈り物に違いないと叔母がいう。
叔母と二人で写った写真を見ながら、「本当に親子みたいね」と言って叔母が喜ぶ。
叔母は子どもに恵まれなかったため、いつも僕のことを養子に欲しいと父に言っていたのだ。
帰り際に叔母が、「ただしちゃんも早くいい人に会えるといいわね。きっと会えるから大丈夫よ」

僕にはKと言うパートナーがいるのだけど、81歳の叔母には理解し難いかもしれないと思いまだ話していない。

いつかKのことを話せたらいいけど、それも無理にではなく、そんな絶妙なタイミングが来たらでいいかもしれないと思う。

自分が年老いてもいつまでも僕の幸せを気にかけてくれている叔母に感謝した1日だった。

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