先週まで3週間くらい、平日の間は海をドッグトレーナーさんに預かり訓練に出していた。
僕はこのところ東京にも行かず、家で仕事をしているので平日は昼間、ずっと一人で過ごしていた。
海のいない生活はとても静かで、時間が有り余るほどある。
スリッパを取られることもないし、ティッシュを取られることもない。
洗濯物も海にいたずらされないから余裕でたたむことができる。
外の庭に行くのも海を気にせず、自由に出られる。
椅子の下で寝てしまうので、気を遣って椅子から出られないこともないし、
料理をするのも、キッチンに来て海が「何作ってるの?」と覗き込むのもないし、洗い物をしている足元で寝ていることもない。
でも、人懐っこくどこでもついてくる海がいないことを、どこか寂しく感じていた。
海は言葉は何も喋れないのに、一緒にいるだけで僕に温もりと安心感を与えていてくれたのだ。
今、海が家に帰って来て、またスリッパを取られないようにとか、洗濯物を取られないようにとか、いちいち気にする毎日に戻ったのだけど、そんないたずら坊主の海がそばにいてくれることをとても幸せに思う。
海は、僕とKに神様が運んで来てくれた大切な贈り物なのだ。