Kが唯一楽しみに通っているゴールドジムに、このコロナのせいで行けなくなってしまった。
夕方になると外苑にジョギングに行ったりして居たのだけど、やはり身体を動かし足りないようで、どうしたものかと悶々としていた。
35歳になったKは、身体に脂肪もつきやすくなって、体重が増え始めており、それもこれもご飯をたくさん作る僕のせいのように言うのだ。
そんな毎日をなんとかしようと、家でyoutubeを見ながら有酸素運動をすることに決めた。
僕たちの家は3階の最上階で、下の階にも人が住んでいるので、部屋でやるには振動と音が出てしまう。Kが有酸素運動に選んだ場所は、玄関の前の廊下だった。
僕の家の他にはこの階には住居の入り口がないので、誰か他の人に見られる心配もないのだ。
玄関の前で黙々と立ったり腹ばいになったりを繰り返しているKが面白くて、大笑いしながらインターホンのカメラで撮影したのだった。