自分の会社でカミングアウト。その4

9月に行われた僕の会社の1階受付でのカミングアウトプロジェクトとなってしまった『OUT IN JAPAN』の展示から、全社内でカミングアウトをしてしまったような僕なのだけど、その後も特に誰かにその件に触れられることもなく平穏な日々が続いている。
そんな中でも、会社に入って20年以上、いつも仲良く一緒に過ごして来た後輩Iがいて、実際に会社で行われたLGBT関係のイベントにもIは出席していて(その中ではLGBTとはいったい何か?という話まであった)、帰り際僕の姿を見つけると、うれしそうにIは手を振っていたのだった。
そんなIに誘われるがままに一緒に隣の駅までランチに行った。ランチを食べながら、最近巷を賑やかしている会社の話題や、これから会社はどう変わっていくのだろう・・・など、思いつく限りの話が出た。
でも、ランチに久しぶりに誘われた時点で僕は、Iが僕にセクシュアリティのことを何か言って来るのではないかと思っていたのだけど、結局LGBTの話題などには一切ならなかったのだった。
それはきっと、Iなりの気配りがあってのことなのかもしれないし、面と向かって僕に、セクシュアリティの話までは切り出せなかったのかもしれない。
当たり前のことなのだけど、カミングアウトは、誰かに言ったからといってそれで終わりになるものではなく、カミングアウトされた側で、また時間をかけてその問題を考え捉え直し、対応も理解なり拒絶なりへと進んでいくことなのだろう。
そうであったとしても、後輩Iの前で、僕の心は以前よりもずっと晴れやかだったのだ。
ふたりで会社への道を歩きながら、「僕はIの前で、このままでいいんだ・・・」
そう思えるだけで、なんとも清々しい気持ちになれたのだった。
カテゴリーLGBT

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