やさしさ。

昔、前の恋人とつきあっている時に、一年に一回くらい風邪をひくことがあって、そうすると、彼がすぐに飛んで来て、僕の額に手を当てて、真剣に心配してくれた。そして自分用の風邪薬を僕に飲ませてくれた。
高熱が出てしまうような本格的な風邪になると、仕事などそっちのけで彼が車で迎えに来て、彼のかかりつけの医者に僕を抱え込むようにして連れて行ってくれた。
そして、点滴を打ってもらうように指示をして、点滴が終わる頃にまた迎えに来てくれた。
彼は、身体も大きく、声も大きく、好き嫌いをハッキリ言う性格だったので、二丁目でも苦手に思う人もいたようだけど、本当の彼のことは、つきあった人にしかわからないことが沢山あるものだ。
先週末に飲み過ぎたせいか、少し喉がおかしくて、昨日は、喉が痛いなぁと思いながら、雪の道を選挙に行き、鉄の塵取りを持って友人の女の子のお店の前の雪かきをした。
雪は幅1m長さ5mくらいだったからすぐに終わったのだけど、お酒があまり美味しくないなあと思っていた。
先ほどジムから帰って来て、Kにガンガンしつこく言われて体温を計ったら、少し熱があった。
「風邪をひいたかな…?」と思いながら、昔の彼のことを思い出していた。
彼のやさしさは、自分の中に、ずっとそのまま残っていた。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です