今日は保健所の飲食業許可のための審査があった。
ここまで来るために一体何回保健所に通ったことだろう。
一番のネックは、自分の家のキッチンと宿の宿泊者に出すための料理をするキッチンは同一ではいけないという決まり事だった。
そのために僕たちは、一階の車庫を改造してシンクを備え付け、業務用のコンロを設置して、床と壁を防水加工して、窓には全て網戸をつけて、更衣室を作り、手洗い場を作り、シャッターの手前にガラスの戸を設置した。
このキッチンを作るだけで、一体どれくらいの金がかかったことだろう。
保健所の人は何度も打ち合わせをしていたのでスムーズだったのだけど、いきなりトイレを見るなどと言い出した。トイレはキッチンの外の自宅のトイレを使用する予定だったので関係ないと思っていたのだ。
家のトイレを見にきた保健所のお兄さんは、「ここにアルコールスプレーをペーパータオルを置いてください。その写真を今度書類を撮りに来る時に見せてください」と言った。どうやらそれで保健所の認可は下りるようだ。
僕とKは一回では通らないかと思っていたので、2人して大きく胸を撫で下ろしたのだった。