怒りと憎しみと悲しみの先へ。

2年以上帰っていなかった実家のある大分に帰省していたKが、海の怪我により予定を3日早めて12日に熱海に帰ってきた。

熱海駅に海と迎えに行き、改札を出てこちらに向かってくるKを見ていたら目が潤んだ。

海は大好きなKだと気づき、怪我をしているにも関わらずジャンプして歓待している。

海が事故に巻き込まれてからここ数日、僕と海であまりにも辛い毎日だった。

病院に通い、怪我を庇いながら散歩をし、夜中も海が包帯を舐めないように灯りを1つつけたまま見守り続けた。

包帯を巻いた海は痛々しく、怒りや憎しみよりも、言いようのない悲しみが津波のように押し寄せてくる。

海が傷つき、海にこんな思いをさせてしまった僕もKも心身ともに深く傷ついていた。

でも、Kが帰ってきてくれたことで、怒りや憎しみや悲しみをふたりでそっと分け合うかのように、やわらいでいくように感じられた。

時々海が見せる無邪気な表情や、おやつのチーズを持って僕たちに取られまいと駆け回る姿に癒され、海によって僕たちが元気づけられていくのがわかる。

海の回復力は想像を超えて早く、自然の逞しい力そのものだ。

海の傷と一緒に、僕とKのずたずたの心も少しずつ回復していくように感じられる。

カテゴリーdog

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です