沖縄の人たちは台風の時には昼間っからお酒を飲み始めて夜までずっと楽しく家で騒いでいると聞いていた。
僕は昔そんな話を沖縄料理屋さんで聞きながら、「そんなものかなあ・・・?他にやることないのかなあ?」くらいに思っていたものだった。
でもいざ沖縄に住むようになって、台風がきた時に僕たちのできることって、やっぱり家の中で引きこもっていることしかないことが身をもって分かったのだ。
外は雨というよりも風があまりにも強いので、散歩をすること自体が命に危険がある。車の運転なんてもってのほかだ。
場所によっては停電になってしまうので、それを見越して停電になった時に食料をどうやって食べるか、何を食べるか、考えておく必要がある。
結局僕たちは家の中にいながら、カップラーメンなんかを食べながらワインを飲んで過ごした。
外は風が強く、一人で家の中にいたらとても不安になってしまうくらい家に吹き付けてくる。
時々家の庭や隣の畑に海を散歩させるくらいで、僕たちはずーっと家の中でのんびりと過ごしたのだった。
大自然の脅威の前では、人間がいくら心配しても、願っても、なんの役にも立たないことを思い知ったのだった。