海、海に入る。

宮古島に来たのは、海を初めて飛行機に乗せることと、初めて海に入ることが大きな目的だった。

海に入るのは熱海近辺でも出来るけど、最初の海は沖縄がいいと思っていたのだ。

石や貝殻の散らばる海岸では犬の肉球も切れてしまうことを想定して、海にはシューズを用意しておいた。

本当は何度か履かせて慣れさせるべきだったけどきっと嫌がるだろうと思い、ぶっつけ本番で履かせてライフジャケットを着せてすぐに海の中へ。

海は最初は喜んで飛び跳ねていたものの、脚のつかない深さのところでは怖がって拒んだ。

僕は海の先に進みながら手招きして、海が泳いで僕の手のところまで来るのを何度か繰り返し、「やった!海、泳げたね!」と大声で褒めながら初めての海水浴を楽しんだ。

海を何度も泳がせながら感じたのは、まるで子どもを初めて海に入れるような体験だったということ。

怯える姿も、一生懸命に泳ぐ姿も、何もかもかわいく愛おしかった。

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