誰もが、手をつなげる世の中に。

僕は朝方、何度か目覚めてしまうことが多いのだけど、Kは朝までほとんど熟睡している。
眠れない時は息づかいを感じながら、「どうしてKはこんなに熟睡出来るのだろう…?」と考えることがある。(きっと何も心配することがないのだろう…)
ごくたまに、Kがふと一瞬目覚めてしまう時がある。僕がトイレに立った時に音を立てた時とか、眠れなくてスマホをいじっていて手が当たっちゃった時とか。
そんな時Kは、すかさず右手を伸ばして来て、僕の左手を探して捕まえる。
それはまるで、誰もいない真っ暗闇の宇宙の中で、たったひとつだけ自分が知っているものを捕まえるかのように。
捕まえられた僕の左手は、そのままなんとか居心地のいい場所を探して、またKが眠りに深く堕ちてゆくまで、じっとそのまま手をつないでいる。
ふたりで手をつないでいると、どこからどこまでが自分の手なのか、わからなくなってしまうことがある。
僕は、その感覚が好きだ。
飛行機に乗っている時にも、ふたりで手をつなぎたくなる時がある。
離陸する時とか、ちょっと触っていたいと本能的に感じるのだろう。
僕たちゲイや、ビアン、トランスジェンダーなどすべてのセクシュアルマイノリティが、周りを気にせず、手をつなぎたい時に、いつでも手をつなげるような世の中になったらいいなあと思う。
これから愛する福岡に、ふたりで手をつないで向かいます。
カテゴリーgay

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です