誰も来ない日。

宮古島に移住してから、ほぼ毎日大工さんたちが家に出入りしていた。

朝は8時過ぎには現れて、午後3時には冷たいお茶を出してあげて、夕方5時には作業を終えて帰っていく。

大工さんが帰ると、僕もKもホッとしてやっと自由になれたと思えたのだった。

日曜日だけはお休みだったのだけど、月曜日を迎えると「また大工がやってくる・・・」と考えてしまい、若干疲れが溜まっていた。

でも大工さんの工事が7月で大体一段落して、あとは電球が届いた時に来るのみとなった。

誰も家に来ない日というものはとても贅沢で、豊かな時間だとKとふたり噛み締めている。

グアバ。

家の門の外に、大きな木があり小さな緑色の実がいくつもなっているのは知っていた。

フェイジョアではないしなんだろう?と思いながら調べてみると、グアバの実だということがわかった。

そこで、熟しかけてきた実を摘んで、切ってみると芳しい香りが広がった。


スプーンですくうと甘くほんの少し酸味もあり、美味しいグアバの味がした。

これから毎朝、グアバを食べても食べ尽くせないほどの実がなっている。

うれしいな。

大工と電気屋のバトル。

うちの大工さんと電気屋さんは、コミュニケーションが全く取れずどうしたものかと思っていた。

電気屋さんは電気の工事をするために、点検口をいくつか開けておいてくれと大工さんに頼んでいた。

それに加えて電気の線を触れるように出しておいてくれと言ってあったそうだ。

今日、電気屋さんが来て点検口から覗いてみるものの、線は出ておらず、おまけに上から塞がれていて今の状態では電気工事はできないと言って怒り出した。

僕が仲裁に入って大工さんに電気屋さんの言っていることを伝えると、自分は言われた通りにやっていると一点張りなのだ。

2人はちょっと喧嘩のように怒鳴り合って大工さんが帰っていったのだけど、間に入った僕は余計な心配が増えて困ってしまった。

大工と電気屋の衝突はよくあることのようだけど、移住者の大工と宮古島出身の電気屋の変な力の見せ合いみたいなものを感じて煩わしくなった。

あまりにもコミュニケーションが取れないようであれば、どちらかの仕事をここで終わらせなければならないかな。

リフォーム一体何ヶ月かかるんだろう・・・。

停電。

家でご飯を作っていたら、いきなり停電した。

大工さんが電気を使いすぎたのかと思ったけど、ブレーカーは落ちておらず、原因は大工さんではなく、エアコンを取り付けてくれている電気屋さんだった。

電気屋さんがエアコンの穴を壁に開けようとしたところ、壁の中を通っていた電気の線を切ってしまったのだった。

こんなことってあるのだろうか?

結局すぐには電気は元に戻せなくて、配電盤から太い電線で家の中の分電盤まで大きな電線を引き込んで応急処置をして終わった。

明日きちんと電気が直るのかどうか、不安な夜を迎えたのだった。

消しゴムとハサミ。

先日、家の設計図を描いているときに、ふと消しゴムが必要になってKに声をかけると、棚の奥から消しゴムを取り出して僕に渡してくれた。

その消しゴムがあまりにも小さく、使い込まれた後の残骸のようで泣きたくなった。

Kが小学校の時に使っていた消しゴムとのことで、ずっと丁寧に使っていたことがわかる。

家でビニールの包装紙なんかを切る時に、度々登場する緑色のハサミも、Kが小学校の時から使っているハサミのようで、それを使うたびに心が温かくなる。

Kのそんなところが、僕はたまらなく好きだ。

大樹の中で咲く蘭。

我が家の庭の真ん中に槙の木(イヌマキ)があって、前の家の持ち主によって枝を盆栽のように紐で力づくで下げられては枝振りを整えられていた。

その姿が痛々しくかわいそうに思えたので、先日この枝という枝を鋸で切ってあげて、紐も全て取り払って自由にしてあげたのだった。

でも、よくよくその槙の木を見ると、枝の中に蘭の葉っぱが見え隠れしていて、木のてっぺんに向かって伸びているのがわかった。

その欄を切り離して植え替えてあげようかとも思ったのだけど、欄の根っこは槙に絡みつき、切らなければ離れそうにもなく断念したのだった。

その欄が、槙の木の中からいきなり花を咲かせ始めた。

オレンジと園児のような色は妖艶で、大樹に寄生しながらも美しい花を咲かせる姿に驚かされた。

年老いても尚、若い生き血を吸いながらエネルギーを蓄えている美しい女郎のようだ。

ひまわり

宮古空港から下地に降りてきた道の先に、ひまわりがたくさん咲いている。

ひまわりの向こうには与那覇湾が広がっているから、黄色と海の青と空の青のコントラストがびっくりするくらい美しい。

ひまわりは示し合わせたかのように一斉に咲いて、皆同じような方向を向いている。

宮古島は夏真っ盛り。

バタフライピー

大工さんのお手伝いで来ていた女の子に、随分前に「バタフライピー」という植物をいただいた。

バタフライピーとは、青い花を咲かせる植物でお花は食べることができる。そのほんの少し紫がかった美しい青い色の花は、お茶にすると青いお茶にもなる。

南側を向いたシークワーサーの樹の根元に植え付けたのだけど、あまりその場所が好きではないのかな?と思うような遅々とした感じだったのが、先日気がつくとバタフライピーがものすごい勢いで成長していて驚いた。

このお花を摘んで、宿のちょっとした朝ごはんに添えるのもいいかもしれない。

腹痛。

お腹が全体的にチクチクと痛み出して、なかなか治らないでいる。

辛いものを食べた時にたまになることがあるのだけど、トイレに行けばその後間もなく治っていくような痛み。

でも今回のチクチクはなかなか治らないので、Kが僕のことを心配して先日お世話になった胃腸内科病院に連れて行ってくれた。

薬を出されて2週間様子を見ることに。

慣れないことばかりの毎日で少し疲労が溜まっていたのかもしれない。

こんな時、家族がそばにいてくれるだけでとてつもなく心強いものだ。

Kや海のためにも、早く身体を元に戻さないとな。

車庫をキッチンに。

宿をやるにあたって宿泊施設の許可を取るのだけど、それと同時に飲食業の許可も取ることにした。

宿泊施設で朝食を提供する場合、自宅のキッチン以外にキッチンが必要なのだ。

そこで、現在車庫として使用しているシャッターのついた場所をキッチンに改良することに。

この車庫にシンクを3つ作り、手洗い場を作り、コンロと換気扇、作業台と収納庫を作ることに。

家のリフォームもだいたい終わりに近づいたところで、また新たに車庫の大改造がはじまろうとしている。

無事に工事が進むことを祈るばかり。