万引き家族

今年のカンヌ国際映画祭で、見事にパルムドール(最高賞)を受賞した是枝裕和 脚本・監督の映画『万引き家族』を、この週末の2日間だけ先行して上映していたので観に行った。
『そして父になる』『歩いても歩いても』・・・是枝監督の作品は、いつも家族を描いて来た。
今回、何も情報を入れずに観に行った『万引き家族』は、『家族』とは何か?というシンプルな問いかけをもう一度自らに問うきっかけになった。
アメリカン・ドリームのように、お父さんが立派な会社に勤めていて庭付きの一軒家に住んでいて、きれいなお母さんがいて、子どもがふたりくらいいて、裕福なおじいちゃんとおばあちゃんがそばに住んでいて・・・
そんな幸せなイメージの家族は、今の日本にどれくらいの割合でいるのだろうか?
今の時代、結婚さえしていないふたりだけの家族だったり、子どもと母親だけの母子家庭だったり、同性のカップルだったり、家族のカタチも様々に多様化しているのではないだろうか?
そして、それぞれの家族の間には、確かな愛情があるだろうか?
社会で生きづらさを抱えながら生きる人たちが出会い、肩を寄せ合って生きている姿を見ているうちに、胸に熱いものがじわじわとしみてきた。
安藤サクラの演技が素晴らしい。
世界に誇る往年の日本映画を思い出させる、想像する奥行きのある素晴らしい映画。
⭐︎万引き家族http://gaga.ne.jp/manbiki-kazoku/

Aの遺灰。

ニューヨーク旅行から帰国したKIから連絡があり、ぺんぺん草に飲みに出るというのでKとふたりぺんぺん草へ。
KIは、僕のお兄さんのような人で、僕がまだ大学生の頃、はじめてイタリアに連れて行ってくれた人。ニューヨークへも一緒に行ったことがある。
一緒にニューヨークへ旅行をした時に泊めてもらったのが、ここに先日書いたアッパーウエストにあるAさんの家http://jingumae.petit.cc/banana/2798583。
晩年アル中だったAさんは最後には日本に帰国して、故郷である福島で亡くなった。
僕たちは風の便りでAさんが亡くなったことを知ったのだけど、Aさんと生前に仲の良かった別の友人Tさんは、わざわざ福島の実家に出向いたようで、そこでなんと、Aさんの遺灰を沢山貰って来ていたのだった。
今回ニューヨークへ旅行に行ったKIは、なんとその遺灰をポケットに入れて飛行機に持ち込んだのだった。
KIは、身体検査で異物があるのが見つかり、「その粉は?」と聞かれて「クッキーを砕いたものだ」と答えたという。
KIは、それまでしてAさんの遺灰をニューヨークへ持って行ったのは、Aさんの遺灰をニューヨークの町中にばら撒くためだったのだ。
そんな話を聞きながら、『ぺんぺん草』のマスターHは、「そんなものどこへでも捨てればいいのに!」と叫んだ。
KIはとても楽しそうに僕に写真を見せてくれた。
写真を見ると、Aの家の近くのダコタハウスの前やストロベリーフィールズなんかで遺灰を撒いているところ、柴犬のミミとAがよく散歩していたハドソン川まで行って遺灰を撒いているのがわかった。
そんな写真を見ながら僕は、Aがきっとそれを見ながら喜んでいるだろうなあと思ったのだった。