RED WOOD

アボカドバーガー

ダブルチーズバーガー

大分には、ふぐの店以外になかなか美味しい料理屋さんがない。これは、日本の多くの地方都市の特徴といっていいかもしれない。海の幸、山の幸に恵まれていながら、それを活かせる料理人がいないということだろう。
料理人はみんな、福岡や東京や大阪などに出てしまうのだろうか…。
大分市内で、ランチをどこにするか…。フレンチやイタリアンもそんなにいい店がないので、今日は、『RED WOOD』へ。
大分城のそばにある『Red Wood』は、アメリカンテイストな店内。ハンバーガーとホットドッグがメインのようだけど、タコスやエンチラーダスなどもあるから、テックスメックス(アメリカのメキシカン料理)といった感じ。
ナチョスを頼んだら、サルサソースにワカモレもちゃんとついて来て感動した。(大分なのに!)
アボカドバーガーは、奇をてらわないベーシックなハンバーガーで、お肉の美味しさもきちんと感じられる。
ビールを飲みながら、「(大分で)こんなハンバーガーが食べられるなんて…」と言ったら、
「また大分をバカにしてるんでしよ?」
とたしなめられた。
★RED WOODレッドウッドhttp://tabelog.com/oita/A4401/A440101/44003462/

再び、大分へ。

関サバ、関アジ、ヒラメ

夏の九州縦断旅行から、3週間近く経っていて、明日から大分という夜にKにLINEをすると、なんだかとても機嫌が悪い。
最近は僕も仕事が忙しく、大阪出張などが急に入ったりして、うまくKともコミュニケーションが取れていなかったようだ。
大分駅にたどり着くと、散髪したKが車で寄ってきた。顔を見ると、どうやら機嫌は直ったようで一安心して居酒屋へ。
『大漁旗』は、賑やかな都町にある元気な居酒屋さん。関サバ、関アジが手頃な値段で食べることが出来る。
席に着いて、飲みながら、最近どうだったのかそれとなく聞いてみる。仕事のこと。友人のこと。お父さんお母さんのこと…。すると、お父さんお母さんのことでなんだか顔が曇った。
K「もうすぐ30歳になるのに、結婚はまだなのか!って、最近ものすごくうるさくなって来たんです。こないだも電話で恋人はいないのか?いつ頃結婚するのか?と問い詰められて…」
どうやらご機嫌ななめだったのは、両親の結婚プレッシャーだったようだ。
29代前半ならまだしも、30代になってくる息子を持っていれば、結婚して幸せな家庭を築くことこそ、息子の幸せに違いないと親が考えるのは当然だろう。
そういえば、九州縦断旅行の後、Kは急に、「東京に出ていくと言ったら、ただしさんはどうしますか?」と聞いて来たことがある。親からの質問責めを疎ましく感じていたのかもしれない。
今すぐに、ご両親からの結婚プレッシャーをどうこう出来るわけではないけれど、Kま話を聞いてあげたらずっと落ち着いて来たようだ。
日本の地方で、同性愛者として生きてゆくのは、大変なことなのだなあと改めて思った夜でした。
★魚バカ一代 大漁旗大漁旗http://tabelog.com/oita/A4401/A440101/44003735/

万ん卯本店。

さえずり

ロールキャベツ

イワシのつみれ

大阪出張の時は、晩ごはんは北新地で食べることが多い。宿が梅田であるため歩いて行けるからだ。
今回は一人だったので、カウンターで中の人と話しながら食べられる所がいいなあと思い、『万ん卯』にした。
ここは、大阪で有名な割烹料理店『かが万』の系列で『かが万』の隣にあり、ミシュランで一つ星を獲得している店。
白木のカウンターは手触りも素晴らしく、目の前におでんを中心にしたメニューがある。万願寺唐辛子と黒龍をいただく。オススメを尋ねると、クジラだというので、さえずりを頼む。美味しいお出汁に、さえずりが柔らかく弾力があり、絶品だ。
鱧のフライは繊細な鱧の味が残り、すじはあくまでも澄み切った出汁で出され、大根は夏だから焼き目をつけてから出汁を吸わせてある。ひろうすは小さいけど具材の旨味が凝縮されている。
おでんと言っても、どれも一つずつ丁寧に味付けがなされており、一品一品供される。それはあたかも、割烹料理の渾身の一皿一皿のようだ。
イワシのつみれの複雑な味わいに感嘆の声をあげる。大将はにこやかに、「イワシの出汁だけなんですよ」と教えてくれる。きっと野趣のあるゴボウの旨味がとてもよく合っているのだろう。
半熟の卵はお出汁と混じり、温泉卵のような味わいがあり、ロールキャベツはじっくりと煮えていて甘みがなくスッキリとお酒にも合う味になっている…
お店は、同伴出勤のお客さんばかりで(笑)、普通のおでん屋と思うと、その3倍くらいの値段を取られることだろう。
それをしてでも、慈愛深いお出汁の効いたおでんを食べたい時には、行ってみたいお店だ。
★万ん卯本店http://s.tabelog.com/osaka/A2701/A270101/27000035/

『すし、太郎。』そして、『華蓮』。

ハモのチーズ和え

唐津のウニ

黒豚と黒牛

★すし、太郎。http://tabelog.com/fukuoka/A4001/A400106/40035401/
福岡には土曜日に合わせるように入った。それはもちろん、土曜日の福岡のゲイバーが楽しいからだ。
今回の5日間に及ぶシンガポールカップルとの旅行、最後の晩餐は『すし、太郎。』と決めていた。この寿司屋さんは前回に引き続き再訪なのだけど、思っていた通りミシュランの一つ星を獲得した店。
前回は、若い大将と奥さんのふたりでの接客だったのだけど、今回は一人、お弟子さんがいて、18種類あるという日本酒にやたら詳しいゲイだった。
大将は、前回も書いたのだけど、スペインで数年間働いていた変わった経歴を持っている。クラシックな寿司が好きな人は、きっと驚くと思うけど、淡白なハモにチーズを削りかけたり、鯵にオリーブオイルをかけて出して来たりする。
それでいて握りはしっかりとして食べ応えがあり、その時期の食材をうまく取り入れていて満足させてくれる。全部お任せで食べて、1万円という驚きのコスパもありがたい。
あえて、新しいお寿司に挑戦し続ける大将を、僕は応援している。
★華蓮http://tabelog.com/fukuoka/A4001/A400102/40000807/
最後の日曜日の昼は、鹿児島の有名店『華蓮』の博多店へ。ここは、地元の人が推薦するJAが経営するしゃぶしゃぶ店。黒豚黒牛、どれも美味しく、サービスも行き届き、店内もモダンでおしゃれだ。
美しい黒豚と黒牛が運ばれてくると、シンガポール人のJとLから歓声が上がった。彼らをはじめ、香港の友人も、台湾の友人も、みな日本の牛や豚が異常なほど好きなのはどうしてなのだろうか?
お寿司にしろ、しゃぶしゃぶにしろ、シンガポールで食べたら4倍はすると彼らは言う。それならば、大好きな日本に来て、本場の料理を食べた方がよっぽど美味しくお得なのだと。
最後のしめの豚骨ラーメンまで食べ尽くして、うれしそうに手を振りながらタクシーを見送った。

『あぢもり』と『ごん兵衛』。

あぢもりの黒豚しゃぶしゃぶ

ごん兵衛の13種類具が入った湯豆腐

焼酎

黒豚しゃぶしゃぶ発祥の店という『あぢもり』は、鹿児島の地元の人には評価が分かれるようだけど、僕は思いのほか楽しむことが出来た。
他のしゃぶしゃぶ店と違っているところは、ポン酢や胡麻ダレなどのタレがいっさい無いこと。
スープに微妙な味がついているだけなので、さっぱりとしていて豚肉が持つ甘さを感じることが出来る。
「スープは何が入っているんですか?」と訪ねたら、
「企業秘密だから、私たちにも教えてもらえないんですよ…」という答えが返って来て笑ってしまった。
『華蓮』『寿庵』『吾愛人』もいいけど、『あぢもり』は、この鹿児島にしかない黒豚の食べ方を体験出来る素晴らしい店だ。
★あぢもりhttp://s.tabelog.com/kagoshima/A4601/A460101/46000029/
前回の鹿児島旅行で感動して、必ず再訪したいと思っていた『湯豆腐 ごん兵衛』へ。
『ごん兵衛』は、100年近い老舗の湯豆腐屋さん。せっかちな大将は店の中にいて、元気なおばちゃんふたりがこの字型のカウンターで串焼きを焼いたり相手をしてくれる。
キビナゴ、黒豚、牛タン、鰻の肝、ウズラ、銀杏、ガンツ(トビウオ)…どれも美味しくて顔がほころんでしまう。
お酒は焼酎と言えば、勝手に熱くした焼酎が波並みとグラスに注がれる。
湯豆腐は、13種類の具が入っていて何度食べても食べ飽きないのは、この店秘伝のぽん酢の美味しさにあるのだと思う。
何度来ても美味しくて、どこか懐かしくて、食べ終わる頃には、また鹿児島に来たら、必ず来たいと思っている…。
僕にとっては、鹿児島で絶対に外せない素晴らしいお店。
★湯豆腐 ごん兵衛http://s.tabelog.com/kagoshima/A4601/A460101/46003724/

麻婆豆腐。

麻婆豆腐

美しい前菜

麻辣麺(酸っぱ辛い)

S太郎が、暑くてバテ気味だから辛いものが食べたいと言うので、原宿にある『龍の子』へ。
先日も他の友人とこの店に来たのだけど、東京で最も好きな四川料理の店は、この店かもしれない。
麻婆豆腐を日本で食べると、日本人用に甘くアレンジしてあるから、ほとんどの人が思っている麻婆豆腐は、本場の麻婆豆腐とは別の料理だ。
僕はこの、甘い麻婆豆腐や、甘い海老チリが苦手で、なんでこんなに甘くするのだろうかと不思議に思ってしまう。
そうかと言って、麻婆豆腐は辛ければいいのかと言うと、それも違う。原宿のビームスのそばに、『東ぽう(土へんに皮)http://s.tabelog.com/tokyo/A1306/A130601/13001276/』という麻婆豆腐が辛くて有名な中華料理屋さんがあるけど、そこの辛さは、胡椒や唐辛子の辛さが立っていて、本場の四川料理の山椒の辛さとはちょっと違っている。
さて、『龍の子』の麻婆豆腐。一口目はその辛さにびっくりして、こんなに食べられないかも…と思う。それでも、じんわり汗が出てきて、お酒や白いご飯と食べているうちに、気がつくとお皿の底が見えているから不思議だ。そして、食べ終わる頃、もっともっと辛い料理が食べたくなっている…。
恐るべし、四川料理。
★龍の子http://www.eishogen.co.jp/delicious/v004.html

玄琢。

赤坂五丁目交番の近くの小さな路地を入ったところに、とんかつ屋さん『玄琢(げんたく)』はある。
赤坂へは、いきつけの美容室があるのでちょくちょく顔を出すのだけど、その美容室のみんながすすめてくれるのではじめて行くことが出来た。
ご夫婦でやっているお店は、大将が身体を壊してから、しばらくお店を閉めていたのだけど、最近またランチのみオープンするようになった。大将の身体の具合が悪いときはお休みだし、15時までの営業になっているけれども、大将があまりにも疲れてしまっていたら、早めにお店を閉めてしまう。
僕は、とんかつ自体ほとんど興味がないし、1年に1度食べるか食べないかだと思うのだけど、ここの『厚切り』をいただいたら、大きいのに脂っこくなくてさっぱりしていて、それでいてお肉の味がぎゅっと凝縮されていて驚いてしまった。
4センチ以上ありそうな厚みのある『厚切り』をオーダーすると大将が、「10分以上かかるけどお時間いいですか?」と聞いてくる。待つこと10分。分厚いかつに山盛りのキャベツが盛られてくる。奥さんが、「お塩も美味しいですよ」とすすめてくれるので、塩を振って食べてみると、豚肉のうまみがより一層感じられる。
ひっそりと小さな路地に佇む『玄琢』。ご夫婦でやっているこんなこだわりの店は、そうそうどこにでもあるわけではないだろう。この先、大将が元気なうちは、この小さな良店に時々食べに訪れたいと思う。
★玄琢http://tabelog.com/tokyo/A1308/A130801/13032178/

吉鳥。

ももの炭火焼

Kとつきあい出してから、大分には10回以上来ているのだけど、大分市内には、ふぐの良店はあっても、残念ながら美味しくて気の利いた食べ物屋はほとんど無い。
例えば『食べログ』で大分市内を検索すると、上位20位の中の15軒くらいはラーメン屋さんだったりする。
そんな中で、久しぶりになかなかいい焼鳥屋さん『吉鳥』という店を見つけた。
場所は、大分随一の飲屋街『都町』の中にあり、カウンターと掘りごたつ式のテーブルが並ぶ。
ももの炭火焼は、まっ黒だけど身がプリプリしているし、つまみも酒盗とクリームチーズとか、豆腐のチーズ風味とか、少し変わっていて美味しい。
若鶏の塩唐揚げは肉汁がたっぷりジューシーだし、ぼんちり、せせり、ヤゲン、焼き物はどれも本当に美味しい。
大分は、唐揚げも美味しく日本一の消費量だし、とり天という鳥の天ぷらは、有名な郷土料理。そのせいなのかわからないけど、鳥の食文化はちょっと目を見張るものがある。
もし、大分市内に行かれた際は、お金があればぜひふぐの店『良の家』がいいけど、鳥を召し上がりたい時は、『吉鳥』に行くのもいいかもしれない。
★吉鳥http://s.tabelog.com/oita/A4401/A440101/44004702/

すし、太郎。

オコゼ

シャコ

穴子

福岡は、素晴らしい寿司屋が幾つもひしめき合っているのだけど、また新たに素晴らしいお店を見つけた。
この店は、間も無くミシュランの星を取るに違いない…。
銀杏のカウンターの一枚板は熊本のものらしい。仄暗い店内は、外国人にとってもきっと居心地がいいだろう。
『太郎』の大将は、若干まだ34歳。高校を出て日本料理屋に入ったけど、魚がずっと食べられなかったという。
その後、スペインの寿司屋さんを紹介されてスペインへ渡り、図角を現し、今は呉服町で奥さんとお店を持つに至った。
スペインでの経験からなのか、お通しもカシューナッツの豆腐が出たり、モッツァレラの味噌漬けが出たり、日本の食材にとらわれないところが斬新で変わっている。
煮アワビは柔らかく、オコゼのお造りは、部位ごとに食感の違いが楽しめるし、素晴らしいマグロが出て来た。
旬のコハダに、唐津の雲丹は申し分なく、鯵も新鮮で美味しい。車海老もしっかりと濃い味がして、最後の穴子もとろっとろの出来だ。
特筆すべきは、お任せのコースで1万円という驚きのコスパだろう。美味しい日本酒を飲みながら、奥さんの心地いいサービスと、大将の誠実な人柄に、必ず幸せな気持ちになって帰ることが出来ると思う。
★すし、太郎。http://s.tabelog.com/fukuoka/A4001/A400106/40035401/

酒陶 築地。

アラとフグの昆布締め

魚の出汁の葛餅揚げ

鴨の炭火焼

3ヶ月ぶりに福岡へ飛んだ。大分で病院の仕事を終えたKも電車に飛び乗り、21:45にお気に入りの店『酒陶 築地』で待ち合わせた。
この、誰にも教えずに自分だけの隠れ家にしておきたい店『酒陶 築地』は、薬院と平尾の間の、表からは決してわからない路地にある。
このお店を一言で言い表すのは難しいけど、上質な日本酒を飲みながら、ゆっくりと美味しい小料理をつまみ、時が経つのを忘れて話が出来る店。という感じだろうか。22:00頃でも入れる気楽さも魅力だ。
雲丹の味噌漬けをつまみ、アラとフグの昆布締めをいただく。
名物の魚の出汁の葛餅揚げは、絶対に頼みたい一品。
野菜の天ぷらは軽く、海老とジャガイモの煮物も他では味わえないものだ。
鴨の炭火焼は、程よい火の炙り具合だし、しめの麦とろごはんは、食べた人が必ず美味しいと言う…。
ちょっと見た目は派手だけど、謙虚な大将と、笑顔のかわいい奥さんのサービスが心地よい。
そして、店内が程よく暗く、聞いたことのないスペインの曲がかかっていたりするから、時間を忘れて長居してしまう。
帰り際に、「また来ますね!」と言って、しみじみといい店だなあと振り返った。
行く時は、前日までにコースを予約した方がよい。素晴らしいコスパです。
★酒陶 築地http://s.tabelog.com/fukuoka/A4001/A400104/40019154/
今年の1月に初めて訪れた時の日記http://jingumae.petit.cc/banana/2131829