海の車嫌い。

海は僕たちが熱海で暮らしている時に奈良県まで車で迎えに行って家に迎え入れた。

道中長い間親元を離れたショックからか泣き叫んでいたのだけど、しばらくしたら大人しくなったのを覚えている。

その後、熱海で色々な場所に海を車で連れて行った。

それでも小さな時は車に乗ることをさほど怖がることもなかったのだけど、大きくなるに連れて車に乗ることを嫌がるようになった。

声を出して鳴いたり、子どもがお母さんに甘えるような声を出したり、はたまた吠えたり。

その都度なだめたり、怒ったり、場所を変えたり、クレートの中に入れてみたり色々試してはみたのだけど、どうやっても海の車嫌いは克服出来なかった。

幸い宮古島ではそれほど長距離なドライブもないので、少し鳴いていると目的地に着いてしまう。

空は同じように奈良県から飛行機でやってきて直ぐに空港から車に乗ったのだけだ、車を怖がる様子はなく、いつも僕の隣で窓の外を眺めている。

これは何かトラウマになるような出来事があったとかではなく、個体差のようなものなのだと思う。

訓練でもどうにもならないようなことがある。海に関しては車に乗ることがあまり好きではないことがその一つだけど、泣き叫ぶほど嫌がるわけではないので今はあまり気にしすぎずに様子を見ているところ。

海と太陽

スタンダードプードルの海と茶トラ猫の太陽は、最初の頃は太陽が3か月くらいで捨てられていたこともあり、家に招き入れた時は太陽の方が海のことを怖かったのか、「シャー!」と毛を逆立てていたのだけど、本当にびっくりするくらいすぐに打ち解けて一緒に遊ぶようになった。

その後海と同じスタンプーの空が家族に加わり、今では空と毎日追っかけっこをしているのだけど、海と太陽はずっと前から家族であるかのような落ち着いた関係で結ばれているように見える。

ソファーで寝ている太陽の隣でくっついて海が寝たり、その逆もよく見かける。

犬と猫は全く言葉も通じないだろうし、感情表現やサインも全く異なると思うのだけど、彼らのコミュニケーションを見ていると感心してしまうことが多い。

追いかけっこやじゃれあいをしていると思っても、喧嘩にはならないし、その後すぐに一緒に寄り添っていたりする。

動物は誰に教わったわけでもないのだけど、やさしく共存する方法をはじめから知っているのだ。

いつも外を眺めている海と空

僕とKは午前中の間、ずっと庭の手入れをしていることが多い。

その間太陽はお構いなしに昼寝をしていて、

海と空は僕たちが何をしているのだろう?と好奇心いっぱいで窓から外を見ている。

何かのついでにふと窓を見ると、「自分はここで見ているよ!」と好き好きアピールをしてくる。

2人はピッタリとくっついて、何か話すわけでもなくまん丸な目を開けて僕たちの一挙手一動を眺めている。

そんな姿を見ていると、心の底からかわいいと思うのだ。

はじめて魚を見た空。

いつもの海辺に海と空を連れて散歩に行く。

海はマイペースで先頭を歩こうとする。

空はまだ子どもだからか、目の前しか見ていなくて海に着いていくのが必死のよう。

時々穴に追っこちたりしてしまう。

それでも今日は岩の中に出来た水溜りに気がついて、中をそっと覗き込んだ。

水溜りの中には引き潮になっていく時に逃げ遅れた魚たちが泳いでいた。

空は魚を見て何を思っているのだろうか?

空の歯

空が生まれてから4ヶ月が過ぎただろうか。

家の中で時々血のついた空の乳歯を見かけるようになった。

犬が子どもの頃の乳歯は数が少なく、本当に大人の歯が生えてくるのか不安になってしまうけど、不思議なことにひとつずつしっかりとした歯が生えて来るものだ。

乳歯が抜け替わる時は歯や歯茎が痒いみたいで、空はいろいろなものをかじっている。

人間よりもずっと早い速度で大人になっていく空の成長を、見逃さないように毎日心がけている。

ピンクドット沖縄に向けて

12月10日(日)に沖縄の那覇で開催される「ピンクドット沖縄」にゲストスピーカーとして登壇することになった。

当初、一泊してから帰ってこようか・・・・などと呑気に話していたのだけど、海がいて太陽がいて空が来た我が家では泊まりで人に面倒を見てもらうのも大変なことだ。

そこで、出番が13時からとはっきりしたので、これなら日帰り出行けるかなと思い日帰りでいくことに決めた。

当日は那覇に着いてからゆっくりと早めのランチをとって、その後にピンクドットに登壇し、パレードには参加せずにそのまま空港から帰ってくる。

海も空も太陽も人にはあずけずに、一度だけ近所のシッターさんに様子を見に来てもらうことに。

ただでさえ甘えん坊の海と空なのだけど、日帰り作戦がうまくいきますように。

岬での散歩

毎日、近所にある上野ドイツ村にある岬に海と空を連れて散歩に行く。

公園内はずっとリードをつけて散歩をしているのだけど、この小さな岬に着いた時に周囲に人が全くいない時は、海と空のリードを外してあげる。

すると海と空は二人で楽しそうにはしゃぎながら岬の先まで走っていく。

途中何度もじゃれ合いながら、小さな空は海にぶつかってしまうので、海の中に転がり落ちてしまうんじゃないかと心配になって見守る。

僕はこんな場面を毎日ビデオで撮影している。

時々空が僕に気づいて遠くからもう一度僕の元に駆け寄ってくることがある。

それを追いかけて負けじと海も走ってくる。

僕に向かって走ってくるこの純粋な二人の顔を見ていると、僕たちはなんて幸せなんだろう・・・と噛み締めるのだ。

空のこと。

空が家にやってきて1ヶ月と少し経っただろうか。

先住犬の海とどうしても比べてしまうことがあるのだけど、空は女の子のせいか海に比べると図太いようだ。

もちろん性別の違いというよりも個体差なのだろうけど、海は甘えん坊で人も犬も大好きで人懐っこい。

空は家ではじゃじゃ馬なのに外に出ると臆病で人見知り。人や犬には自分から近づいて行くことはない。

海の目はまんまるで真っ黒でなんともかわいいのだが、空の目は切れ長でより人間の目に近いように見える。

家に来た頃は空はジュディ・デンチに似ていたのだけど、

頭が大きくてじゃじゃ馬で髪を振り乱しながら海を追いかけている姿は、

どことなくベット・ミドラーに似ていると思うのだ。

ワンちゃんとご家族

この週末は、ゴールデンドゥードゥルの10ヶ月の子と、4人のお子さんがいらっしゃる泊まりにいらっしゃった。

子どもたちは海や空や太陽を大好きになり、我が家にあがりこんで一緒になって海や空と遊んでくれた。

小学4年生のお姉ちゃんは海のことがとても気に入ったようで、家に連れて帰りたいと言いはじめた。

母「2頭は家では飼えないから、海ちゃんを連れて帰るなら、うちのLを交換する?」

女の子「うん。Lを置いてく・・・」

母「Lはどこにもやりません!!!」

お母さんは少女に怒っていた。

無邪気に海を可愛いと思って一緒に帰りたいといったお姉ちゃんなのだけど、自分が一緒に暮らしているワンちゃんを置いて帰るってのはないよね・・・。

でもその素直さに驚かされた。

子どもたちと接する機会が今までなかったので、こうやって子どもたちと触れ合えるこの仕事は、新しい体験で溢れている。

海の誕生日。

10月10日は海の3歳の誕生日だった。

海が生まれてからもう3年も経ったのかと思うと親としては感慨深い。

この3年間で僕たちはどれだけ多くの愛情を海からもらっただろう。

ちょっと買い物から戻ってくるだけでも、なんでこんなに喜んでくれるのだろう?と思うくらい、尻尾が千切れんばかりに左右に降って歓待してくれる。

海の存在は、愛そのものだ。

海、お誕生日おめでとう。

これからもずっとずっと一緒だよ。