今回の判決が出る数日前に、僕はもう一度札幌における本人尋問後のYou tubeをたどって見た。
札幌はもともと東京と違って、裁判官がとても真摯で聞く耳を持っているとのことだったから、本人尋問ではどうだったのかと。
すると、裁判長が原告に尋ねたそうだ。
「性的指向というものは、本当に自分では変えられないんですか?」
僕は、この質問が裁判所の本人尋問で起きたことで、とてもいい証拠になったと思っている。敢えてそれを尋ねてくれた裁判長にも、はじめからその狙いがあったのかもしれないとさえ思うのだ。
これは、僕も一番はじめの意見陳述から主張してきたことだ。
「性的指向は自分の意思でも、他人の力によってでも変えることはできない。その性的指向が理由で平等の権利や社会保障が与えられないことは、明らかな不平等である」
札幌の裁判官は、一人一人の原告の話にきちんと耳を傾けてくれていたのだ。
東京の裁判官もどうか、僕たち原告の話に耳を傾けてほしい。そしてご自分の良心に従って判決を出してほしいのだ。