僕はテレワークなので、毎朝三島の病院に出勤していくKを見送っている。
海を抱きながら階段を降りていくKに手を振る。海はいつも、Kが出かける時に寂しそうに鳴く。
夜になってKが三島から帰ってくる時間になると、僕は料理の手を時々休めて、窓の外を見つめる。
三島から我が家は40分くらいだろうか。暗闇の中、走ってくる車の音が聞こえないかと何度も耳を澄ませる。
ちょうど、Kが車で帰ってくるのを見つけたり、車を置いて歩いてくるKを見つけることもある。
窓を開けて海を抱っこしながら海に話しかける。「Kちゃんが帰って来たよ」海は興奮して喜んでいるのがわかる。
Kが下から僕たちに気づいて何か話しかける。
家には灯がともり、暖房もついている。
僕は、今日もKが無事に帰れたことを感謝する。