二人で新居を探すということ。

Kと僕は、九州と東京という遠距離恋愛を3年少し続けたのち、Kが九州での仕事を辞めて東京に出てきて、東京の僕の家に一緒に暮らすようになった。

気づいたらそれから5年が経ち、今度は東京ではなく静岡県の熱海市に二人で引っ越そうとしている。

引越す家を探すことから始まり、引越し業者さんに見積もりをとったり、インターネットのプロバイダをどうするかとか、一緒に冷蔵庫を買いに行ったり、今は車探しもしながら、今後は犬もどこかのブリーダーから引き取ろうと考えているところ。

新しい家に引っ越して新しい生活を始めることは、色々と面倒なこともたくさんあるけど、そんな面倒なこともひっくるめて、僕たちはこの引越しの準備をワクワクしながら楽しんでいる。

こうして新居への引越し準備をしていて気づいたことだけど、僕たちゲイやLGBTQの人たちはこういう楽しみさえも、なかなか味わえずに暮らしているのではないかということ。

男女であれば当たり前の、新居を探すことや一緒に暮らすための準備なんかを、僕たちはあらかじめ自分の人生には想定していなかったり、実際にそういうことになったとしても、大家さんや不動産屋さんや車屋さんいも言えずにやり過ごしているのではないかと思ったのだ。

僕たちが、ゲイやLGBTQであるというだけで、男女であれば当たり前にある楽しみを、初めからないものとして生きていたなんて、とても勿体無いことだと思ったのだ。

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