熱海、山の家。

今月末の引越しを前に、契約も含めてもう一度熱海に行くことにした。

熱海では、海の見える家を何軒も見たのだけど、結局住む家は、山のなかの家にした。この家に決めるまで、僕はとても迷ってしまって、途中、Kが「もう引越しやめようよ」という出すくらい、なかなか踏ん切りがつかない状態の時があった。

それは、ずっと海を眺めながら暮らしたいと思っていたのに、「山の物件でいいのだろうか?」と感じていたから。自分の中で山なのか海なのか、行きつ戻りつしながら考えていたのだけど、このままだと引越しもできなくなりそうに思い、思い切って踏み出すことにした。

引越しって、めちゃくちゃお金もかかるし、体力のいることだ。一度盛り上がっていたやる気がしぼんでしまったら、来年の春だってその気持ちが奮い起せるかどうか、わからないではないか。

この茂みの上に家がある。この山の雑草を入る前に清掃してもらうことに。

今回、最後の確認に不動産屋さんと物件を訪れた時に、今まで見ていなかった和室の窓を開けて、左側を覗くと、なんと遠くに海がほんの少し見えたのだ。

僕は地図からすると、もしこの家が高かったら、海が見えるだろうと踏んでいた。でも、あいにく周りは大きなクヌギや紅葉が多い茂る山の中、それに僕たちの住む家は平家なのだ。完全に海のことも忘れていたところ、秋になって木々の葉っぱが落ち始めたからか、遠く海がちょっこりと顔を出した。

それはまるで、これから引っ越してくる僕たちへの、神様の贈り物のように思えたのだった。

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