何も前知識もなく観に行った映画「ぶあいそうな手紙」は、ほっこりするようなかわいいブラジルの映画だった。
78歳のエルネストは妻を亡くした後、一人でひっそりと大きな家に暮らしている。年々視力が落ちて来ていて、今ではぼんやりとした輪郭しか見えない毎日。隣家のおじいさんが、毎朝気にかけてくれている。
息子は都市に住んでいて、父親のことを心配しながら、古い家を売っぱらって一緒に住もうとしている。
そんなある日、散歩から帰って来たおじいさんは、たくさんの犬を散歩させていた若い娘に出会う。おじいさんの元には昔の友人から手紙が送られて来ていて、その手紙を若い女の子に読んでもらうことから、人生が思いがけない方向に転がり始める。
カエターノ・ヴェローゾの艶やかな歌声と、美しいブラジルの詩が重なる。目の見えない78歳のおじいさんと23歳の女の子は、年齢の差を超えて、人生を膨らませていく。
ストーリーの行方のわからない展開の、とてもよくできた脚本。
⭐️ぶあいそうな手紙http://www.moviola.jp/buaiso/