父のお墓参り。

7月10日は、父の誕生日であり命日。父が他界してから12年が経ったようだ。

早朝から墓参りに行き、花を添え、手を合わせた。

父が亡くなってから慌しさにかまけて、父の遺品を整理することもなく、写真や書類をざっくりと袋に入れたまましまっておいたものを、このところ家にばかりいて時間があるので、先日取り出して見てみた。

父の写真や手帳、手紙、何かの新聞に文章を載せたもの。

それからなぜか、僕が小学生の時の通信簿や小学生の頃に書いた作文や絵などが入っていた。

父は、僕が小学生までは一緒に暮していたのだけど、両親の不仲があり僕は母と一緒に家を離れたのだった。

僕の小学生時代の色々なものを大切にとっておいてくれたのは、父らしいと思う。

小学生の頃の通信簿をKが見つけて、興味深そうに見ていたのだけど、突然大笑いするので何かと聞くと、いくつもの通信簿に、

「私語がとても多いので慎むように。私語が多く賑やかすぎる。授業中も友達との会話が止まらない。」

などと、僕がおしゃべりだったことばかりが書かれていたのだ。

墓前で手を合わせ、父に話しかける。

51歳の頃、父はどんな人生だったのだろうか?

父が死ぬまでに、僕は自分がゲイであることを、直接打ち明けることはできなかったのだけど、今はお墓の前でKのことを話して聞かせる。

父に聞いても、もう父の返事は返ってくることはない。

幽霊でもなんでもいいから、もう一度やさしい父に会いたいと思う。

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