アゲハの幼虫。その5

土曜日、朝起きた時は大きな青虫が2匹いたのだ。

残念ながら3匹いたうちの1匹は、小さな青虫になった後、どこかへ旅立ってしまっていて、残る青虫は2匹になっていた。

今日もすごい勢いで葉っぱを食べてるなあ・・・と思ったのもつかの間、少ししてベランダに出ると、一番大きかった青虫が跡形もなく消えていた。跡形もなくというのは少し違っていて、レモンの葉っぱに深緑色の大量のフンが落ちていた。

どこ行ってしまったのだろう?とKと二人、ベランダ中をくまなく探すけど見つからない。散歩から帰って着てまた探すけれど見つからない。夕方、諦めかけて家に入ろうとすると、サンダルを脱ぐ窓際を青虫が歩いていた。

「Kちゃん!いたよ!こんなところに!」

「こんなところ歩いてたらもう少しで踏んでたね」

僕は青虫を捕まえてレモンの木にもう一度戻してあげた。すると、青虫はもはやレモンには興味がないようで、すぐさまものすごい速さでレモンの木から隣のバラに写り、どんどん下に降りていき、鉢の縁で不安定に止まった。

レモンの木に戻したところ

下に降りてゆく青虫

鉢の縁に止まった

その後、晩ごはんを食べた後も何度も覗いて見たけど、鉢の縁が気に入ったのかそこから動こうとしなかった。でも翌朝起きた時には、青虫の姿はなくなってしまっていた。

僕は、落胆したまま日曜日なのに仕事で撮影に向かった。

すると夕方、KからLINEが入った。

「青虫、いたよ!蛹になりそう」

網戸にしがみついている青虫

僕は嬉しくて、スタジオで思わず声をあげた。どうやら青虫は、蛹になる時を知り、自らのお腹に溜まったものを全て排出し、蛹になって過ごせる安全な場所を探して旅に出たようだった。

それにしても、こんな網戸に捕まって、落ちないでいられるのだろうか?

蛹に変わってきた

僕たちはこの網戸を動かさないように、これから2週間くらい見守っていこうと確認したのだった。

“アゲハの幼虫。その5” への4件の返信

  1. こんばんは!

    青虫可愛いですね。
    これまでの話を見て蛹になれた事
    勝手に嬉しく見てしまいました。

    元気な蝶になって欲しいです。
    影ながら一方的ですが応援してます。

    1. ゆうすけさん。

      こんにちは。お久しぶりです!

      青虫って、人によっては気持ち悪いのでしょうが、こうやって大切に見守っているうちに、愛着が湧いて来ました。
      蝶々になるまであと少し、なんとか守ってあげたいと思っています。

      たかが蝶々ですが、このコロナの影響で、周りにある自然の不思議を、ゆっくりと見つめることができます。

      1. ただしさん

        こんばんは。

        青虫は気持ち悪くも見えますが
        慣れると可愛らしくも見えます。

        モリモリ葉っぱを食べるのも可愛いです。
        元気に育つと良いですね。

        たかが蝶々ですが
        青虫や蝶々が見える世界は
        きっと素敵だと思います。

        ありがとうございます。

        1. ゆうすけさん

          こんにちは。

          蛹は無事に、網戸にくっついたままなのですが、
          実は、もう一匹いた青虫が、また忽然と姿を消してしまいました。

          この蛹と同じように、自分が蛹になる時を知り、
          自ら安全な場所に移動したのだと思われます。

          時間を見つけては、色々と探しているのですが、
          まだ見つけられていません。

          どこかで無事に蛹になってくれたらいいのですが・・・。

          このところ、またアゲハ蝶がベランダにやってきています。
          蝶々になってもそう長くは生きない命、
          また卵を産み付けるために葉っぱを探しているのだと思います。
          生命って不思議ですね。

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