質素なおじいさん。

駅に向かう途中の細い道に、木造の二階建ての家屋があって、そこはアパートのように集合住宅になっている。

その家の一階にはおじいさんが住んでいて、会社に向かう途中に植物の世話をしているのを見かけることがある。

おじいさんはいつもとても質素な服装で、おばあさんは見かけたことはないから、もしかしたら一人暮らしなのかもしれない。

おじいさんが世話をしている植物は、ほとんどが野菜で、豆がなっていたり、茄子がなっていたり、トマトがなっていたり、春菊が植えてあったり、サラダ菜が植えてあったりする。

ものによっては鳥から守るためにネットがかかっていることもある。

先日おじいさんの家の前を通りかかったら、かわいい双葉が出始めた鉢があって、おじいさんはこの春も種を撒いて野菜を育てるんだと思ったのだ。

毎日を慈しむおじいさんの暮らしを見ると、僕まで温かい気持ちになる。

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