ディリリとパリの時間旅行

フランスのアニメーション作家ミッシェル・オスロによる『ディリリとパリの時間旅行』は、実写のパリの写真にアニメーションを重ねた、あまり日本のアニメーションでは見たことのない不思議な絵だった。
時代は19世紀末ベルエポックの頃。パリの街には天才が集団で現れていて、次から次へと天才たちが出てくる。物語は、ニューカレドニアからパリにやってきたディリリという少女の視点で語られていくのだけど、描かれる内容が実にシュールで、他文化との違い・異人種との違い・人種差別・女性蔑視・男性優位社会など、現在の世界が抱える問題ばかりだ。
ニューカレドニアからやって来た黒人のディリリが、パリにいて逆にパリの人をどう見ているのかという視点や、彼女が一番礼儀正しくまっとうな視点を持っているところが興味深い。
パリの美しい街並みや、何気ない風景が見ていて飽きることがない。
天才たちが次々に出てくるところが僕は面白かったのだけど、そんなことに興味のないKは、隣で安らかな眠りについていた。
⭐️ディリリとパリの時間旅行https://child-film.com/dilili/

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