Kがひとりで誰かに会いに出かけた。

Kは、大分から東京に出てきて、東京には昔、大分でつきあったことのある友人が働きに出てきているだけで、他に友達はいない。
新宿2丁目で会う僕の友人たちは、たとえKに興味があったとしても、僕の友人であるから遠慮してしまうのか、(僕が恐いと思うのか)、お互いに連絡先を交換するようなこともない。
そんなKが、随分前にお店の周年パーティーに僕と行った時に知り合った人がいて、なぜ知り合ったかというと、毎朝Kが勤め先の病院へ行く道ですれ違っていたようで、その後もその人とは時々家の近所ですれ違っていたようだ。
Kは時々その人と会うと僕に話していたのだけど、LINEを交換したらしく、今度ご飯に誘われたというので僕の出張の日に会いに行ったのだった。
ふたりは僕たちがよく行く新宿三丁目の店で食事をしたらしく、「楽しかった?」と聞くと、「うん」と短く言うだけだった。
僕「その人、恋人いるの?」
K「20代の恋人がいるんだって」
僕「へー、そうなんだ。また飲みにでも行ってきたら?」
K「うん」
Kが東京に来て3年が経ったのだけど、こんなことははじめてなので、はじめはちょっと胸の中がザワザワしたけど、こんな風にたまには自由に僕の知らない人と会うのもいいことだろうと思ったのだ。
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