さくらももこさん。

『ちびまる子ちゃん』は、Kのお気に入りのテレビ番組で、僕たちは夕食の後にふたりで『ちびまる子ちゃん』を観ている時が一番幸福に感じるひとときと言っていいかもしれない。
この『ちびまる子ちゃん』は、はじまった頃に僕は全然観ていなくて、どちらかというと見ないでバカにしていたような気がする。
でもKが僕の家にやってきて、しょっちゅう『ちびまる子ちゃん』をかけるので見てみたら、これが天才的によくできたお話だったのだ。
ひとりひとりのキャラクターがとてもよく考えられていて、運動が出来る子やお金持ちの子、底抜けにやさしい子もいるけど、卑怯な子がいたり、いつも人のことを疑ったり妬んだりしている子がいたり、斜に構えた子がいたり、胃痛持ちの子もいたり、鋭い笑いやウィットに富み見ていて飽きないのだ。
作者である『さくらももこ』さんが53歳という若さで乳がんで亡くなったニュースを見て、なんていう天才を亡くしてしまったんだろう・・・ととても残念に思ったのだ。
自分に近いキャラクターと自分の友人たちをもとに作られた作品ということだけど、あんなにすごい作品を世の中に遺した作者は、きっと素晴らしい人だったに違いないと思う。
ありきたりの言い方だけど、さくらももこさんがこの世界に遺した作品たちは、きっといつまでも我々の中で生き続けるのだろうと思う。そしてそんな風に、この世界に何か美しいものを遺したさくらももこさんのような人を、僕は同じ人間としてとてもうらやましく思うのだ。

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