名匠。

みそ汁が大好きだ。
なので和食の時は、ほぼ毎回みそ汁を飲んでいる。
うちは2人分なので小鍋に500mlの水を入れて、煮干しのはらわたを取り(頭は入れる)そのまま時間があれば数時間放っておく。(うちの煮干しは大きめで大きさもだいたい揃っているので5匹と決めている)
食べる前に火をつけて、沸騰したら弱火にして5分間煮れば出汁が取れる。
油揚げ半分を食べやすく切り鍋に入れて、大根などその時の具材を入れて煮えたら、味噌を大さじ1と1/2入れてといて、味見をして沸騰する前に器に入れる。
普通、400mlに対して味噌は大さじ2と言われるけど、味噌はそれぞれ塩分が違うので、少なめに入れてから足す方が良いと思う。
味噌は、その時の気分に合わせて、定番を決めている。ひとつは、前にここにも書いた、京都『しま村』の合わせ味噌。
味噌本来の旨味を感じられてしみじみと美味しい。
そしてもうひとつ最近買っている味噌が、この『名匠』。
明治屋で扱っているのだけど、『しま村』が素朴なおいしさだとすると、それよりも少し華やかな感じというか、甘すぎずそれでいて香り高い。
出汁のしっかり効いたみそ汁を飲むと、魂の奥深くで生命が喜ぶのがわかる。
⭐️名匠https://www.hikarimiso.co.jp/products/meisho/

クレーム。

使われていたヘアワックス

日本人は、クレーム(サービスに対する改善要求)を入れることが苦手だとよく言われる。
レストランで酷い席に案内された時や、ホテルで酷い部屋に通された時に、僕は迷わずクレームを入れるようにしている。
「出来れば、他の席(部屋)にしていただけませんでしょうか?」
先日、ヘアワックスをイギリスから船便で取り寄せたのだけど、念のためにチェックをしてみたら、10個買ったうちの1つが、すでに使われたことのあるものだった。
すかさず僕は、ひとつを送ってくれないかとメールを入れたら、イギリスから時差があったのちすぐに返信が来た。
「My sincere apologies for this!! We will absolutely send you a replacement for the product that looks tampered/opened.
I can also give you a credit back on your card if you did not want us to send the new one. Let me know what works best for you.」
ひとつを送ってもらうのは、送料がもったいないので、クレジットカードにひとつ分を戻してもらった。
先日、6月に行く予定のニューヨーク・サンフランシスコ便のチケットをインターネットではじめての代理店で取り、座席指定は代理店に連絡しろと書いてあったので電話をしてみた。
すると、日本語のたどたどしい女性が出て言ったのだ。
「JALは当日でないと座席指定出来ません。アラスカ航空は、指定出来ますが、2800円かかります」
僕は、「ニューヨークまでの長時間フライトなのに当日まで座席指定出来ないって、もしかして席が離れ離れになってしまうかも…それに、アラスカ航空はなんでそんなことでお金取るんだろう?」と思いながらも、離れ離れになるのは嫌だと思い、取ってくださいとお願いした。
電話を切って、JALのホームページに行くと、なんということか、あっさりと座席指定が出来たのだった。
それに、アラスカ航空の座席まで、リクエストが出せるとのこと。これならば、代理店にお金を払って座席を取ってもらう必要など無いではないか。それに、JALのマイレージバンクで取れるのならば、何故それを先に言わないのか?
そこでもう一度代理店に電話をかけることにした。電話には先ほどの女性が出たので、ことの経緯を話して、「座席指定はしなくて良いです」とお願いしたのだけど、「もう座席指定しましたので、カードからお金は引いてあります」と言うのだ。
僕は、「そもそも、あなたがJALで普通に座席指定出来ることも知らないでお客に適当な情報を流していること自体がおかしいと思うのですけど…」
と言うと、慌てて「クレームはこちらにメールをしてください!」と言って早々に電話を切ったのだった。
僕は、2800円が惜しいと言うよりも、この新参旅行代理店が、日本語もきちんと話せずにわけのわからない対応をしていることに怒りがこみ上げて来て、その場ですかさず日本語と英語でクレームのメールを出した。
すると、2日後くらいに代理店からメールがあった。
「お問い合わせの件につきまして、座席指定手数料として課金させていただいた2800円を返金手続きさせて頂きました。」
クレームばかり入れているモンスターゲイおばさんみたいかもしれないけどそれは違っていて…笑
最初に書いたようにクレームとは、苦情ではなく、『サービスに対する改善要求』として捉えて、冷静にサービスを要求する形にすると、意外とすんなりとこちらの要望が通ることが多いようだ。
たとえ頭に血が上ったとしても、あくまでも、「キィーッ!」と感情的にならないこと。

ビカクシダ。

昔から、ビカクシダ(コウモリランとも呼ばれる)が好きで、会社のデスクにもあったし、家にも長いこと置いてあった。
10年くらい生きただろうか、僕が仕事で慌ただしくなっていた頃に枯らしてしまって、またいつかビカクシダを手に入れたいと思っていた。
先日、渋谷の東急本店の屋上で、昔家にあったようなビカクシダを見つけて、すぐに買い求めた。
1週間に一回くらい思いついた時にお水をあげて、時々葉っぱに霧吹きで水をかけてあげるとよい。ビカクシダは、手入れも思いのほか簡単なのだ。
リビングの置いたビカクシダは、トナカイの角のような葉っぱを思い切り伸ばし、不思議な存在感を放っている。
植物か作り出す彫刻のような形は見飽きることがなく、そばにあるだけでどこかほっとするものだ。

誰かを思い出した時に。

夜中に夢を見て目が覚めたのだ。
その夢には、会社の同期のIが出ていた。
Iは、東京大学を現役で卒業したのち会社に入り、マーケティングから営業でバリバリ働いていた男で、頭が良く、それでいて育ちの良さを併せ持ち、尚且つ性欲旺盛だった。
結婚しているのに、女の人の噂は耐えることがなく、なぜか僕には、「この頃、トランスジェンダーの女性に惚れ込んでいるんだよね・・・彼女たちは、女性にはないものすごくピュアな一面を持っているんだよ」などと、言いだすこともあった。
Iは、僕が知らないうちに何か問題があったのか会社を辞めてしまっていて、そのあとIの行方は、同期の誰に聞いてもわからなくなっていたのだ。
そのままベッドの上でIの名前を検索、ここまでは前にもやったのだけど、facebookでも出てこなくて諦めたのだった。今度はIの故郷の都市を入れてみると、なんだかそれらしい人が出てきた。
カメラマンのページにつながり、略歴が出てきたのでチェックをすると、広告代理店勤務ののち独立と書いてあり、Iだとわかった。
よく日、スマホからIにメールを打ってみた。
「前略・・・もし東京にいるのならば、お時間が合えば会ってご飯でもしませんか?お忙しいかもしれませんが、お時間が出来たらご連絡ください。会えなかったとしても、健康で、笑いの溢れる毎日を。」
すると、間髪入れずに返信がきたのだ。
「僕も、君のことを思い出していました。どうしているのかなと。
現在、フリーランスのマーケティングコンサルタントと写真の仕事をしているのですが、先日、〇〇TVとの打ち合わせに行く際に〇〇を通り抜けていて、君と思しき人とすれ違った気がしました。時間がなかったのと、人違いだったらという不安で声をかけることができませんでした。」
それから僕たちは、LINEの交換をして5月の後半に会う約束をしたのだった。
誰かを思い出した時に、昔はそのままやり過ごしていたのだけど、今は、時間がとても短く限りあるものだという思いが強く、「今連絡しよう!」と思って行動に出ることにしている。
今となっては会わなくなってしまった人であっても、僕の人生の中で、確かに一緒の時間を過ごした人なのだ。
僕はきっとIにカミングアウトをするのだろうなあと思うし、久しぶりに会うIのセックス話を、今から楽しみにしている。

ひとつのバラの花。

朝起きてベランダに出ると、先週咲きはじめたバラ『マダム・アルフレッド・キャリエール』の花が3つ咲いていた。
一つを切って、グラスに刺してみた。
原種に近いオールドローズは、高島屋のような改良された姿の花びらではなく、昔懐かしいティッシュで作ったバラのようなくしゃくしゃっとした野趣溢れる形をしている。
花の花弁はいったい何枚あるのだろう?
花弁は幾重にも重なっていて、レモンのようなさわやかな香りがする。
この季節に枝に生えている蕾を数えると、一つのバラの木に軽く200は超えている。
バラは、こんなにまで精巧な花びらを自ら作り出し、何百という花をこれから咲かせようとしている。
冬の間は裸木だった枝からは想像できないほど、今はダイナミックに葉が生い茂っている。
たった一輪のバラを見ているだけで、この宇宙の不思議を感じることができるのだ。
これから数週間は、バラを慈しむ日々になる。

いぼのいと。

『OUT IN JAPAN』の撮影が終わって打ち上げの後、スタッフ何人かと飲みに行こうということになったのだけど、住吉のゲイバーで女性が入れるところはあまりなく、『メイクアップ』という店にめがけて行くと、ギリギリ後ろのボックス席だけが空いていてぎゅうぎゅう詰めで座ることが出来た。
撮影助手の女性が1人と、他はゲイが僕を合わせて5人。
撮影会やイベントが終わってほっとしたのか、みんな結構酔っ払っていて開放感からかしょっちゅう笑ってばかりいる夜だった。
東京から偶然仕事でやって来ていたSも加わり、カラオケを歌おうということになりSが叫んだ。
S「ただしちゃんとKちゃんで、中島みゆきの歌歌って!!!」
僕「何?中島みゆきの歌なんて知らないし歌えないよ」
S「こないだ歌ってたやつー!なんだっけ?ほらほら・・・
あ、わかった!中島みゆきの『いぼのいと』ってやつ!」
僕「え???いぼのいとって・・・そうめんじゃないの?」
S「Kちゃんが前に歌ってたじゃん!いぼのいと!いぼのいと!」
すかさずカラオケで『糸』が鳴り出し、みんなが得意げに歌うのだった。
「いーぼのいとーわあなた〜♪
いーぼのいとわーわたし〜♪」
僕たちは、お腹が痛くてたまらなくなるくらいに笑ったのだった。
ああ、くだらない。

『OUT IN JAPAN 』in 福岡 その2。

撮影会は、11時から20時過ぎまでかかって50組56名が参加してくださった。
途中、13時半から15時までは、レスリー・キーさんとKABAちゃんのトークイベントがソラリアプラザであり、KABAちゃん自身の撮影も午前中に行われた。
うれしかったのは、昨夜声をかけた人たちが実際に撮影に参加してくれたことと、撮影は出来ないけど、見に行くと言って来てくださったこと。
そして、毎回同じことをしているのに感動することがある。
それは、昔はゲイだけで集まって飲んでいるだけだった僕が、ビアンやトランスのFTMやMTF、さまざまなセクシュアリティの人たちとお話ができることだ。
セクシュアリティはさまざまだけれども、同じように生きづらさを感じて生きているからか、共感し、緩やかに繋がることができる。
ゲイだけの集まりの心地よさもあるけど、こんな風にさまざまなセクシュアリティの人に囲まれていることの心地よさは、この『OUT IN JAPAN』や、『irodori』を通じてはじめて知ったことだ。
傷ついたり弱みを持つ人たちが出会い集まることで、やさしさや寛容さ、自分とは違う人を受け入れるという大きさへと変わってゆくのだ。

『OUT IN JAPAN』in 福岡。

週末の『OUT IN JAPAN』の撮影のために、夕方の便で福岡へ。
スタッフは親睦会に行ったのだけど、僕は撮影に参加してくれるゲイを探しに美野島通りの『七男鳥』や、『SAFARI』へ向かった。
『OUT IN JAPAN』のことは、今までに何度もここで取り上げて来ているのだけど、一言で言うと、『LGBTカミングアウトプロジェクト』である。
テレビに出ているオネエ系タレントだけがLGBTではなくて、ここにもあそこにも、セクシュアリティだって驚くほど多様に、実はだれの周りにだってLGBTは存在しているということを可視化していくことが一つの目的だ。
写真を撮影して、実名と年齢、職業、セクシュアリティとカミングアウトにまつわるストーリーがホームページに載ることになる。
僕のような一般人だと、僕のフルネームで検索すると、最初の方にこの『OUT IN JAPAN』のホームページが来ることになる。
一度はホームページに載せたものの、検索することでゲイであることがわかってしまうことが嫌で、今まで途中でホームページから取り下げてくれというお願いをする人も何人かいた。
1100人以上撮影した中では、その時幸福そうにふたりで写っていたカップルも別れてしまっていたり、既に亡くなってしまった人も何人かいる。
今回、2度目となる福岡での撮影では、40人くらいの人が応募してくれたのだけど、せっかくだから1人でも多くの方に参加してほしいと思い、ゲイバーで友人たちをはじめひとりひとり声をかけお話させていただいた。
うれしいことに、数人は見に来てくださるという返事をいただいたし、ひとりは友人の紹介もあり、撮影に参加してくれるという返事をいただいた。
ひとりひとりの勇気あるカミングアウトが集まることによって、僕たちが平等の権利を持ち、より暮らしやすい世の中を作ってゆく力になると思っている。
⭐︎OUT IN JAPANhttp://outinjapan.com/

つばめきたる

隣のマンションの一階には駐車場があって、シャッターなどのない駐車場なので誰でも出入り出来るようになっている。
先日、駐車場の中から鳥の声が聞こえるので(また!)「なんだろう…?」と思い、中に入ってのぞいて見ると、ピタッと鳴き声がやんだ。
「あれ?気のせいかな?」と思い、出がけにライトをふと見たら、つばめがライトの裏に巣を作っている最中だった。
つばめは、急に入ってきた人間に気づいて、すぐに鳴くのをやめたのだろう。
『玄鳥至 つばめきたる』とは、七十二候の一つ。二十四節気の清明の初候にあたり、4月5日~4月9日ごろに相当する。季節は晩春。玄鳥至は、それ自体としては「燕が南からやって来る」などといった意味。
今更ながら、72侯というものが今でもきちんと日本の季節を捉えているなあと感心する。

早くも、バラが咲きはじめました。マダム・アルフレッド・キャリエール

マダム・アルフレッド・キャリエール

今年も、気がつくとバラが咲きはじめていた。
毎年ゴールデンウィークの少し前に咲きはじめるバラは、今年に限っては2週間早く咲きはじめたようだ。(この日記を振り返って見ると、昨年は30日に、一昨年は26日に咲いた記録があった)
今年の桜の開花が早いのは、昨年末に僕はわかっていた。なぜならばバラの芽が動きはじめたのが例年になく早かったから。3月に寒い日が続いて桜の開花も遅れると言っていたけど、僕はそうは思わなくて、きっと早く咲くだろうと思っていたのだ。
日増しに伸びてゆく葉っぱの中からバラの蕾が見えたかと思うと、あっという間に蕾がほころびはじめる。毎年のことだけど、ある日起きるといきなりバラが咲いているのを発見して驚くのだ。
新緑の町を歩いていても、目にとまるのは植物の葉っぱや花ばかり。桜が咲いて、イチョウの新緑が見え始めバラが咲くこの時期は、園芸家にとって最も幸福を感じる時かもしれない。
寒さの中、2月に植え替えたバラの木は、今のところ順調に育って来ている。今年も我が家の8本のバラは、どんな花を咲かせてくれるのだろうか?