3番目のバラが、咲きはじめました。アルバ・セミプレナ

古くからバラは、赤いバラと白いバラが存在していたようだ。
赤いバラの代表格は、ガリカ系と言われるオールドローズで、赤と言っても真紅ではなく、濃いピンク味を帯びた色。香りが強く、野趣があり、ロサガリカ・ヴェルシコロールという紅白の混じったバラは、僕の最も好きなオールドローズのひとつ。
白いバラの代表格とされるのがアルバ系と言われるオールドローズで、青みを帯びた葉といい、香り高い花といい、古くから伝わるバラ本来の原種が持つ魅力を最大限に兼ね備えたバラといえよう。
その中でもこの『アルバ・セミプレナ』は、一重よりも少し花びらの多い二重のような花で花芯がのぞき、強く清々しい香り、まるで野ばらのような美しさを持っている。
品種改良されたバラにはない葉や萼、蕾から花へ変わってゆく姿の美しさは、いつまで見ていても飽きることがない。
昔一緒に仕事をしていた写真会社の女性Yさんに、どのバラが好きかと聞くとこの『アルバ・セミプレナ』の名前を挙げたのを思い出す。このバラに似て、純粋で美しい人だった。
ボッティ・チェッリのヴィーナスの誕生に出てくる白バラは、この『アルバ・セミプレナ』だと伝えられている。
そんな話を知るたびに、オールドローズへの思いは強くなるのだ。

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