老眼鏡。

昔、BridgeのMとニューヨークやロンドンに一緒に旅行をすることが多かったのだけど、ふたりでレストランに入りメニューを広げるたびにMが言うのだ。
「ただし、メニュー読んで俺の分も決めていいから…」
僕は、暗いレストランの中で小さな文字で書かれたメニューを読み上げながら決めた。
その時に、いつか自分もそんな風に小さな文字が見えにくくなるのだろうか…と思ったものだ。
そして、その時はすぐにやってきた。
小さな文字は見えないし、少し暗い場所だと本当にボヤけて文字が見えないのだ。
手に持った本の文字が見えなくなると、本を読むこと自体が苦痛に変わった。
近視の眼鏡やコンタクトを取ると見えるのだけど、本を読むたびにコンタクトを外すわけにもいかない。
それでいて、老眼鏡と名のつく眼鏡には素敵なデザインなど皆無で、いかにも『老眼鏡をかけてます』的なデザインのものばかり。
何軒か眼鏡屋さんを見た後に、昔よく作っていたフォーナインズ999.9の眼鏡を思い出した(僕自身眼鏡専のところがあるので、昔はよく眼鏡をかけていた)。そのレンズだけ老眼用レンズに直せないかと思ったのだ。
伊勢丹のメンズ館に入っているフォーナインズに行き聞いてみると、ちょっと高いけどレンズ代の18000円で作れるとのこと。
コンタクトをつけたまま視力の検査をして老眼鏡のレンズを決めて、一週間も経たないで眼鏡は出来上がった。
かけてみると、手元の本の細かな文字がバッチリ見えるし、多少暗くてもスラスラと文字が読める。
これでまた、大好きな読書もしやすくなったし、傍目にはただの眼鏡にしか見えないだろうと思い喜んでいるところ。
⭐️999.9http://fournines.co.jp/sp/