やわらぎ。

金沢の町を歩いていると、町のいたるところで美しい景色にハッとさせられる。
金沢城の多種多様な紅葉だとか、町を流れる犀川の美しさとか。
アンテイークや骨董品屋、洋服屋さんにカフェ、小さなギャラリーが町のいたるところに自然と溶け込んでいるのは、この町の文化の深さを表している。
石川県のお寿司屋さん『太平寿し』で食事をしていたら、カウンターの中の店員さんが叫んだ。
「やわらぎ、ひとつ!」
僕たちが『やわらぎ』の意味がわからなくてキョトンとしていると、別の店員さんが教えてくれた。
「金沢では、お水のことを、やわらぎって言うんですよ」
「やわらぎ…⁈」
「僕も福井県出身だから、最初なんのことかわからなかったんですけど、どうやらひがし茶屋街の言葉らしくて、お客さんにお水でやわらいでもらうためにお水のことをそう言うらしいんです」
「それは、金沢ではみんなわかる言葉なの?」
「そうみたいです」
店内で、「お水」と言わない間接的な表現は、確かに加賀百万石という圧倒的な石高を誇った文化が今もなお残っている証だろう。
(ちなみに、金沢出身の友人たちに聞いたところ、ふたりとも知らなかった)
また来年もこの美しい町に、遊びに来られますように。
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