太平寿し

香箱がに

のどぐろの蒸し寿司

「恐れ入りました」
たまに、そんな風に思える素敵なレストランに出会うことがある。
それは、美味しいものを食べた時に身体の奥深くに届くような純粋な歓びを感じた時。そんな食べ物を出すまでに、どれほどの経験と、作り手の意志や哲学があるのだろうか・・・と想像してしまうから。
石川県で有名なお寿司屋さんと言ったら、『小松弥助』。そして並んで名前が挙がるのが『太平寿し』だろう。
『太平寿し』は、今まで数々のお弟子さんを育てて来たお寿司屋さんであり、『八や』さんや『あいじ』さんなど金沢市内にもいくつもの有名店を輩出している。
そんな『太平寿し』は、金沢市内ではなく野々市という郊外にあるため今まで行く機会がなかったのだが、今回最終日のランチの席が取れたので、Kとふたりバスに揺られて行ってみた。
『太平寿し』は、香林坊から20分くらいバスに乗り、『太平寺』というバス停で降りる。お店は800メートルくらい住宅街を歩いたところにある。
大将は、一目見ただけで素晴らしい人格者だとわかるような、太陽のような笑顔の人。すべてのお客さんの緊張を一瞬にして解かし、誰にでもきちんと分け隔てなく向き合ってお話をする人だった。
驚くべきはお寿司。
最初から最後まで、食材を最大限に美味しくいただくように考えられたお寿司が出てくるのだけど、中には若手のお弟子さんの意見を聞いたものなんかも含まれていると言う。
鯖寿司は、昆布でよく締めてあり、味は濃すぎない。いくらは醤油をさっと通しただけなので、色が黄色に近く鮮やかで塩辛くない。
香箱がには、今まで金沢で食べた香箱がにの中でも最上級のもので味がしっかりと濃く、濃密だった。鰤は、まるでステーキのように供されて、赤身から脂身まで美しく並べられ、脇に酢飯が少し添えてある。
赤海老にはこのわたのソースがかかり、甘エビは頭の中の味噌が添えられている。
大間のマグロの漬けにはばい貝、大トロには赤貝が添えられている。
のどぐろの蒸しずしを口に入れた時は、「ああ、こんなのどぐろがあったのか!!!」と思うやいなや、のどぐろと酢飯はほのかに温かく口の中に溶けて行った。
コースは、3段階くらいで選ぶことが出来るのだけど、軽くすませたい場合は『百万石の鮨10貫セット』のクーポン券を3800円で金沢駅で買うことも出来る。(どちらにせよ、予約時に伝えること)
⭐️太平寿し
076-248-5131
石川県野々市市太平寺1-164
https://tabelog.com/ishikawa/A1702/A170203/17000118/
⭐️百万石の鮨http://ishikawa-sushi.com/outline/

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