怒りは、どこから来るのだろうか?

雨の南部車庫

小松空港に着いた時は、土砂降りの雨だった。傘を持たずに旅に出たので、バス停からコンビニに駆け込むまででずぶ濡れになってしまった。
「なんだよ。この天気・・・東京を出た時は快晴だったのに・・・」
ホテルで週間天気予報を見ると、週末まで金沢の天気予報はずっと雨だった。
「これが日本海側の冬の天気なんだよなあ…
せっかく久しぶりに金沢に来たのに…」
荷物を整理していると、手荷物に入れていたメガネがないことに気づいた。
「あ!バスで手荷物を上に上げた時に、バスが揺れていて紙袋からメガネが飛び出てしまったのかもしれない…もしかしたら飛行機の座席のポケットの中かも…」
北陸バスに電話をすると、寿司屋にいる頃に折り返し電話がかかって来て、メガネが見つかったとのこと。「ちょっと市内からは遠いんですが、南部車庫にあります」と言われて南部車庫を調べたら、バスに乗って45分くらいかかることがわかった。
「南部車庫って、地の果てじゃん…」
そんな一部始終を金沢の友人に笑い話にしながらも、しみじみと考えていた。
『この、イライラや怒りは、いったいどこから来るのだろうか?』
先日読んだ本に書いてあってなるほどと思ったことは、「すべての怒りとは、自分の期待から来るものである』という一文だった。
どういうことかというと、自分がイライラや怒りを感じた時には、怒りの原因が他にあるわけではなく、その怒りは、自分が勝手にした期待を裏切られたことに反応しているだけだということ。我々が感じるすべての怒りの原因は、100%自分にあるのだ。
今回の金沢での天候からはじまる一連の出来事には、他者は絡んで来てはいないけど、たとえばタクシーに乗って行き先を告げたのに、道が混んでしまいしょうがなく迂回したけど渋滞にはまり、時間が相当かかってしまい、そこで怒りを抱いたとしても、それは結局、タクシーに対して期待していた自分のせいであって、自分の期待が裏切られたことからくる怒りでしかないのだ。
そう、誰が悪いわけでもない。自分の選択が悪いわけですらないのだ。すべては、自分が勝手に周りに対して期待をしていたというだけの話なのだ。
それからの旅行では、晴れていたのに急にひょうやあられが降って来たりしたのだけど、
「金沢らしい冬の気候を楽しむことにしよう」と思えることが出来たのだった。

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