ゲイであるということ。

物心ついた時から男の子が好きで、小学生の頃にハッキリとそうなのだと辞書なんかを調べながら自覚したのだけど、自分にとって『ゲイである』ということは不思議なことに、
「周りの友人たちのように、奥さんや子どもを持って幸せで円満な家庭を築くことはできないんだ…」という言い表し難い哀しい気持ちと同時に、
「自分はほかの男とは違っているんだ。影に隠れて甘美な人生を味わいながら生きてゆくのだ…」という密やかな悦びの気持ちが確かにあったのだ。
そして、後者の気持ちを十分に満たしてくれたのが『新宿2丁目』であり、2丁目で週末のたびに一緒にお酒を飲む、本名を明かさずに源氏名(呼び名)で呼び合う友人たちだったのだ。(30年以上前の2丁目では、本名がバレることを恐れて、ほとんどの人が用心深く別の名前やあだ名を使っていた)
そして今改めて思うのは、ゲイであるということは、人には言えない人生の重荷を背負わされたということではなく、ストレートの男性では決して味わえないような、僕たちにしかわからない密やかな愉しみを享受することが出来るということに思える。
本当かどうかはわからないけど、人生とは、生まれる前に自分でストーリーを考えて役柄を選んで生まれてくるそうだ。
もしもそうだとしたら、今回の僕の人生は、ゲイであるということを通して、普通では味わえないようなさまざまな経験をすることなのだろう。
ちょっと変わった主人公だからこそ、人生も味わい深いものになるのかもしれないと思うのだ。
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