I’VE LIVED IN EAST LONDON FOR 86 1/2 YEARS

表紙を見て、「これはロンドンに住む人たちのポートレイトだろう」と思って手に取ったら、この表紙の86歳と半年生きたおじいさんのお話だった。
読んだところ、このおじいさんが何か偉業を成し得た人ではなく、それどころか海外に出たこともなくロンドンの東側に86年間住み続けた独身の老人のようなのだ。
おじいさんは、平易な言葉で僕たちに語りかける。自分の少年時代のこと、家族のこと、誰かと関係性を持つこと、お金、ユーモア、映画・・・
この写真集に惹きつけられるのは、そのどこにでもいそうなひとりのおじいさんの人生が、なんとも味わい深くドラマティックに感じるからだろう。そうして家に持って帰ってきてページをめくりながら、急に気づいたことがある。
このおじいさんは、僕の父にそっくりなのだ。
父に似ているということは、どこかしら僕にも似ているに違いない。
おじいさんの人生を読みながら、父の人生にも思いを馳せたのは、ちょうどお盆の時期に、父が僕に思い出して欲しいと思っているからなのかもしれない。
大丈夫。
あなたのことは、いつも思い出しています。
⭐︎I’VE LIVED IN EAST LONDON FOR 86 1/2 YEARS
hoxton mini press
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