アゲハの幼虫。その1

レモンの木に水をあげていたら、葉っぱに穴が空いていた。
おかしいな…と思って葉っぱ中を探すと、まるで鳥の糞のように黒いカラダに白い斑の入ったアゲハの幼虫がいた。
アゲハの幼虫は大きさ違いで2匹いたのだけど、幼虫を見るなり僕は、指で弾いて下に飛ばしてしまった。
そして、飛ばすなり僕はふと罪悪感に囚われたのた。
アゲハの幼虫くらい、そのままにして蝶々に孵化させてあげればよかったのではないか…と。
うちのレモンの葉がいくらか食べられて穴が開いてしまおうとも、枯れなければ問題ないではないか。
家のレモンに花が咲いて、蝶々を誘い、蝶々は卵を産みつける。卵はやがて幼虫になり、幼虫はレモンの葉っぱを食べ続ける。幼虫はいつしか蛹になり、しばらくしたのちに蝶々になって飛び立ってゆく。
うちの小さなベランダも、間違いなく宇宙の営みの中にいるのだろう。
今度アゲハの幼虫を見つけたら、そのままそっと蝶々になるまで守ってあげようと思った。