Kのランチのために。

Kは、外国人専門のクリニックに勤めている。
8時過ぎには出る早番と9時過ぎに出る遅番の日が交互にあって、土曜日は隔週で半ドンで働いている。
お昼ごはんはクリニック内に食堂もないようで、コンビニで買っているらしい。何を買って食べているのかと聞くと、
「おにぎりとサラダとゆで卵」
と答えるので、「それじゃあタンパク質が足りないじゃん」と言うと、「プロテイン飲んでるから大丈夫」と言う。
「お弁当を作ろうか?」と聞くと、「女の看護師さんたちに見られて恥ずかしいからいい…」と言うのだ。
それで、コンビニのサラダもどうかと思い、野菜とゆで卵だけは毎日用意して持たせるようにしている。
ゆで卵は下に穴を開けて、100mlの水を入れて4個ならば蓋をして中火にかけてから6分、火を止めてそのまま4分たったら急冷する。
野菜は、ロメインレタスや水菜を下に半分くらい敷いて、その上に、アスパラやスナップエンドウやインゲンやブロッコリーなど季節の野菜を数種類茹でたものを乗せて、彩りを考えてプチトマトかラディッシュを散らす。それを、Kが出かけるまでに用意して持たせてあげるのだ。
毎日卵や野菜を茹でて箱に入れて持たせるだけでも大変だと思うのに、世の中の母親は、さらに品数の多いお弁当まで作って子どもに持たせていることを考えると、まるでスーパーウーマンのように思えてしまう。
自分の子どもの頃にもお弁当を作って持たせてくれた母を思うと、今頃になってその労力がいかほどのものだったか、骨身にしみて母の有り難さがわかるものだ。
そんなことを考えながら、今日も卵と野菜を持って、出かけて行くKに向かって手を振ったのだ。
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