セクションドール

美味しい料理人に出会ったら、他のおすすめのお店を紹介してもらう。美味しい料理人の情報は、他のネット情報なんかよりも早く確実な情報だからだ。
今回、『なる屋』で紹介してもらったお店は2店あって、その中の1つに行ってきたのだけど、それがなんと、メニューはたった1種類『タンドリーチキン』しかない変わったお店だったのだ。
場所は平安神宮のすぐそば、桜並木に面した絶好のロケーション。
店内はおそらく8席くらいしかとれない感じでファーストフード店を思わせる作りだけど、天井が高く桜並木の見えるの景色と相まってまるで海外のお店のような雰囲気。大将はちょっととっぽい感じのハンサムだけどノンケ。
フレンチをやられていた人のようで、ワインも日本ではなかなか飲めないものが揃っている。
タンドリーチキンは、皮がパリッとしていて、中の身は味がしっかりと染みている。香り高いのだけど、本格的なインド料理とは全く違っていて、どちらかというとフランスで食べるタンドリーチキンチキンといったものだろうか。
チキンと一緒に種類の多い野菜がついてくる。この野菜がたちの美味しいことと言ったら・ ・・。
またしても、美味しい料理人に出会ってしまったので、他の美味しいレストランを教えてもらった。(笑)
★セクションドール
075-752-2249
京都府京都市左京区岡崎西天王町84-1 M

なる屋

うにとこごみとよもぎ餅

若竹のお吸い物

牛肉とわさび菜

久しぶりに、本当に素晴らしい割烹料理店に出会った。その名は、『なる屋』。
ここ何年かで、もう一度この店に来ようと思った日本料理店は、『緒方』のあとはこの店だけだ。『緒方』には2度行ったけど、こんなに素晴らしい割烹料理店があるのならば、もう他には行かなくてもいいかもしれない。(『なかひがし』は、唯一無二の店なので別格)
場所は錦小路のすぐそば。扉を開けると天井が高く、10人がけくらいのカウンターがあり、カウンターの中には炭火のおくどさんがある。
大将は見かけはとても若く見える43歳。瓢亭から和久傳、室町和久傳の料理長という正統派日本料理店の華々しい経歴。その後、ニューヨークの精進料理店kajitsuでもミシュランの星を獲得、今の錦小路から15mほどのお店を3年前にオープンした。
お料理は正統派だけど、野菜と貝や他の食材との合わせ方、技が素晴らしい。ニューヨークにいらっしゃったからなのか、野菜は京野菜に限らず、西洋野菜なども積極的に取り入れている。
日本料理の基本の上に、旬の食材をふんだんに使い、ひとつも外さず味を決めてくる。他店よりも若干安めの値段設定も素晴らしい。
どこまでも謙虚で話しやすい大将の人柄と接客は、最高峰の店の達人だからであろう。
本当は、予約がとれなくなったら嫌だから、誰にも教えずにそっとしておきたいお店なのだけど、もし京都に行くことがあったら、ぜひ予約をして行ってみてほしい。
開店後、瞬く間にミシュランの星を取ったようだけど、この店はきっとこれから、もっと評価されていくに違いない。
★なる屋
075-252-1199
京都府京都市中京区堺町通錦小路上ル539
https://tabelog.com/kyoto/A2601/A260201/26024247/

ぐりる金星

鯛のブイヨン

マッシュルームのスープ

リードヴォーとアボカドのオーブン焼き

おそらく20年くらい前に一度行ったきりのお店『ぐりる金星』を思い出したのは、京都行きが決まってからのこと。
その当時、6歳上のMと付き合いはじめて、年に何度も京都旅行を重ねているうちに、Mの行きつけだった祇園の洋食屋さん『ぐりる金星』に連れて行ってもらった。
はじめて食べた懐石料理のような品数の多さに驚いたのと、こんなに美味しい洋食というものが、京都にはあったのかと、京都の洋食レベルを思い知ったのだった。
その後、京都に来て様々な洋食屋に行ったのだけど、あれほどの衝撃は受けることなく、ふと、20年経った今、『ぐりる金星』に行ってみようかと思ったのだ。
ランチに予約をして、昼の祇園の町へ向かう。お店は、今となっては行列の絶えない人気店になってしまった蕎麦屋さん『権兵衛』の斜め向かいにある。
大将は、「ランチはデザートも入れて8品という品数でも、夜の3分の一くらいの品数です」と言いながら、一つ一つ丁寧にお皿を運んでくれた。
サーモンと、九州で捕れたムール貝の前菜。
鯛のブイヨン。
牛肉のたたき。
マッシュルームのスープ。
リードヴォーとアボカド。
ポテトサラダとビフカツ。
クレープ。
いちごのシャーベット。
ここは、カレーが有名なお店なのだけど、お店が始まった40年前に絶品カレーを出すことで知られていた洋食店。
ビフカツにかけられたデミグラスソースは、8ヶ月かけて仕込まれたもの。
昔から政財界や芸能人のお客さんも多く、取材やマスコミに出ることを避けて来たお店は、今のネットでの評判とは全く無縁ではある。
それでも、今のままこのお店が存続して欲しいと、今度は夜の再訪を誓ってお店を後にした。
⭐︎ぐりる金星http://grillkinsei.com

とくを

鯛・縞鯵・車海老・とり貝・マグロ

熊本黒毛和牛ヒレ肉

甘鯛とフグの白子

久しぶりに、午後の新幹線に乗り京都へ来た。晩ごはんは、高瀬川沿いにある『とくを』。
11人くらいのL字型カウンターと、奥に一つ小さなテーブル席があるこじんまりとした店内は、二重でパッチリの大将と二人のお弟子さんが忙しく動き回っている。
先付けは、花ワサビ・ウニと湯葉・フグの煮こごり。
お造りは、鯛・縞鯵・車海老・とり貝・マグロ。京都でこれほど美味しい魚が食べられるお店は珍しいと思う。
炭火でじっくりと焼かれた熊本の黒毛和牛は、驚くほど柔らかい。
おしのぎで、鯖寿司が来た。京都では鯖寿司のことをきずしというのはなんでだろう?
ぐじ(甘鯛)とフグの白子を焼いたもの。ぐじは甘く、久しぶりの白子は熱くてハフハフ言いながら食べた。
京都で捕れたという名残の甘い蟹をいただく。
金目鯛と筍の煮付け。
鯛ご飯と赤出汁。
イチゴと柑橘ととても甘い静岡のメロン。
旨味の強い食材を沢山出してくる料理は、お酒好きには堪らないかもしれない。
⭐︎日本料理 とくを
075-351-3906
京都府京都市下京区木屋町通り仏光寺上る天王町151
https://tabelog.com/kyoto/A2601/A260201/26004751/

園芸への思い。

水仙が顔を出しはじめた我が家のコンテナ

赤坂の枝垂れ桜

朝、ベランダに出ていたKが言った。
「このビオラ、本当によく咲くね」
ふたりで植え付けたのが12月だから、かれこれ3ヶ月以上は咲いていることになる。ここへ来て第2弾の遅咲きの水仙が顔を出しはじめて、チューリップの洪水へと続いていく。
髪を切りに赤坂に行ったら、枝垂れ桜がほころびはじめていた。枝垂れ桜は、毎年ソメイヨシノよりも若干開花が早いようだ。
その昔、靖国神社の植木市で自分で一番はじめに買った植物は枝垂れ桜だった。
小学生の低学年だった僕は、桜の花に魅せられて。1メートルに満たない枝垂れ桜の花が開いてゆく姿を、飽くことなく眺め続けた。
枝垂れ桜からはじまった植物への興味は、日を追うごとにどんどん膨らんでいった。
桜の花が開くためには、その蕾は桜が咲いた後の梅雨から夏に作られ、それがゆっくりと時間をかけて育ち、やがて春が来て咲くという仕組みを知って、植物の不思議に取り憑かれたのだった。
植物への興味は尽きることなく、次の年には、大きな藤の木を手に入れることになる。
今でも不意に、僕の人生の道は、本当は園芸にあるのではないかという思いにとらわれることがある。
春になり、様々な植物が芽生え、花が咲きはじめるのを見ていると、その思いに強く心を揺さぶられるのだ。

どうしても欲しいものに出会った時に。

日本橋の三越の屋上にあるチェルシーガーデンで、美しい枝ぶりのジューンベリーの木を見つけた。
高さはおよそ3メートル。
株立ち状になり、悠然と空へ伸びる枝々は穏やかで、これから来る花の季節、美しい葉っぱの芽出し、秋の黄金の紅葉を考えるとなんともいられなくなった。
「家の北側に置こうかな…」
北側といえども最上階なので、僕の北側のベランダも春から秋にかけては十分に陽が当たるのだ。
でも冷静に考えると、今の家に永住するわけでもないのに、大きな樹木ばかり増えてしまうと、また引越しの時に酷い目に合うことになる。
それに、僕の家にはすでにジューンベリーが一本あるではないか…。
一旦はそう自分に言い聞かせて家に帰り、何事もなかったかのように過ごしていたのだけど、何をやっていても、ふと、あのジューンベリーのことが頭に浮かんで来て、頭から離れなくなってしまった。
「もう一度見に行ってみて、売れ残っていたら買おうかな…」
果たして、ジューンベリーは売れずにそのまま僕の帰りを待つかのように、ちょっこり残っていた。
今度は写真を撮り、高さを図り、KにLINEで送ってみる。
僕「これ、大きいけど買おうかと思って迷ってるんだけど」
K「ジューンベリーなら、もう既にひとつあるじゃん。あれを北側に持っていけば…」
そう言われて、またしてもその場で諦めて家に帰ったのだけど、昔ならば迷うこともなく、好きだと思ったならば後先考えずにそんな大木でさえも、その場で即決して買っていたと思うのだ。
今は年をとって変わったのか、考え方が変わったようだ。
『どんなに欲しいものであっても、それを買ったところで、究極のところそれを自分の手に入れることは出来ないのだ』と思うのだ。
この地球にあるすべてのものは、いくらお金を払ったところで、本当の意味では自分のものにはならないのだと思う。
今は、その美しいジューンベリーが、どこかやさしい家にもらわれていって、健やかに育っていけばいいではないかと思えるようになったのだ。

SMYTHSONのブタ。

ロンドンに、SMYTHSON(スマイソン)という手紙や手帳専門のお店がある。
青くどことなく佇まいにイギリス王室を感じさせるスマイソンの手帳に憧れて、学生の頃に使ったものだった。
スマイソンのこの銀製のブタは、背中に細い線のような溝が入っていて、カードを入れることが出来る。
昔、会社のデスクで使っていだのだけど、僕の席に遊びに来たかわいい新入社員が目ざとく見つけて、「かわいいですね!このブタ!」と褒めるので、急に男気を見せたくなってその場で一つその子にあげたのを思い出す。
もともと10匹くらいいた気がするけど、今では7匹のブタになってしまった。

バーミックス。

調理器具が大好きなので、今まで様々な調理器具を試して来たけど、自信を持って人にすすめられる調理器具の一つが、バーミックスだ。
ひとり暮らしをはじめてすぐに買ったバーミックスは、1954年スイス生まれ。ハンディタイプのフードプロセッサーの元祖とも言われている商品。
フードプロセッサーでは、クイジナートが有名だけど、小さなクイジナートのフードプロセッサーだとしても、それを出して、使って、洗って、しまうということを考えると、面倒に感じてしまうものだ。
それが、バーミックスのようなハンディタイプのフードプロセッサーだと、キッチンの目につくところに置いておけば、すぐに使うことが出来るし、洗うのも簡単、すぐに元の位置に戻すことが出来る。
自家製のマヨネーズはいとも簡単に作ることが出来るし、缶詰のホールトマトの蓋を開けて、バーミックスを一度入れるだけできれいにトマトを砕いてくれたりする。
でも一番多く使うのは、野菜スープなどをポタージュにすること。
ミネストローネなどの野菜スープをもう一度食べる時には、ポタージュにして生クリームを加えると味わいの違ったスープに変身する。
お肉をひき肉にすることも出来るし、バジルとニンニク、松の実を一緒に入れてジェノベーゼにすることもあっと言う間。
フードプロセッサーは、自分はちょっと面倒で使わなくなりそう…なんて人でも、バーミックスならば、野菜ジュースを作ったり、ドレッシングを作ったり、自分なりの料理に生かすことが出来ると思う。
僕のバーミックスはかれこれ15年以上経つのだけど、全く壊れることなく僕の毎日に役に立ってくれている。

美味しいお魚を買うために。

渋谷『江政』の鰤

「東京で、美味しい魚を買うことは、至難の技だ」
僕は、いつもそう思う。
近所のスーパーに並ぶ魚は、北九州生まれ、山口県育ちの父から自然と教わった僕の目からすると、とても買う気が起きないのだ。
町の至る所にコンビニが出来て、大きなスーパーも出来てしまった今、小さな魚屋さんなど、存続出来なくなってしまったのだろう。
それに加えて、昔のように、今の日本人はお魚を食べなくなって来ているのではないだろうか。
僕の家での主菜の肉と魚のメニューに上がる比率は、8:2くらいだろうか?本当は、5:5くらいにしたいものなのだけど、近所に美味しい魚屋さんがないのだ。
日本橋行ったら、三越本店、
銀座に行ったら、三越銀座店。
新宿では、伊勢丹か高島屋。
赤坂では、以前ここにも上げた『魚かん』http://jingumae.petit.cc/banana/2572747
そして、渋谷で魚を買って帰る店は、東急本店に入っている魚屋さん『江政』。
『江政』は、富山県の氷見で上がったお魚を扱うお店。のどぐろ、ぶり、マグロ、蛍烏賊、カニ、海老など、どれも氷見ならではの魚介類は、本当に美味しそうなのだ。
お店のおばさんに、「ここの魚見たら、東京じゃあ他では買えなくなるよ」と言うと、おばさんは、
「私も氷見の人間なんだけど、東京じゃあお魚は買う気がしないの。それで、ここで働き始めたのよ」
東急百貨店本店の地下一階の一番奥、その素晴らしいお魚さん『江政』は、宝石を並べたようなコーナーを設けている。
⭐︎江政https://www.tokyu-dept.co.jp/sp/honten/shop/detail.html/?shopcode=emasa

エイミー、エイミー、エイミー!

ラブコメかと思いきや・・・

気狂い上司のティルダ・スウイントン

「面白そうなラブコメがやってる!」
そう思って観に行った映画『エイミー、エイミー、エイミー』は、ラブコメではなく、ゲラゲラ笑える超コメディーだった。
映画が始まってすぐに正直、
「なんでこの太い脚で、胸をやたら出していて、お世辞にも綺麗とは言えない、いや、どちらかというと年期の入ったブスが主演なんだろう・・・」
と思ったのだ。なんか、この映画は様子がおかしい・・・」と。
僕はこの人のことを今まで全然知らなかったのだけど、主演は、全米No.1人気コメディエンヌであり、2015年には世界に最も影響力を持つ100人に選ばれたというエイミー・シューマー。
映画が進んでいくうちに、今までのラブコメにはない本音の発言や、「え?こんなこと言っちゃって本当に大丈夫なの???」と思わせる人種やセックスのネタががんがん飛び出て来て、思わず吹き出したのだ。
脇役には恐るべきパワフルな俳優陣たち。アカデミー主演演女優賞に輝いたブリー・ラーソン。そして、気狂いのような女上司が出て来るのだけど、これがティルダ・スウィントンで驚いた。バスケの有名選手やマシュー・ブロデリックまで・・・。
映画を観終わって改めて彼女が全米NO.1のコメディエンヌだということがわかったのだけど、このエイミー・シューマーって、言うなれば昔のベット・ミドラーみたいな感じなのだ。セックスのことも人種のことも、誰もが感じていてそれでも言えずにいる変なことを、女の本音でづけづけと言ういわゆるスーパービッチ。
友達や恋人と、大笑いしたい時にいい映画。
★http://www.interfilm.co.jp/amyamyamy/